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フロスト警部シリーズ「最新作」について
というわけで、前回の続き。

2007年に亡くなったイギリスのミステリ作家、R.D.ウィングフィールドのフロスト警部シリーズの「新作」が2011年に発売が予定されています。

ファンとしては、ウィングフィールドの遺稿か何かが発見されて、それに誰かが手を入れる形・・・みたいのを希望してしまうんですが、実際はそうではなく、 James Henryというペンネームで2人の作家の合作という形になります。

最初にこの「新作」の話を聞いたとき、てっきりウィングフィールドが過去に書いたラジオドラマ版フロスト作品、もしくは短編(例えば日本でのみ出版されている「夜明けのフロスト」とか)を翻案するのかと思ったので、その点を尋ねたところ、実際にそういうアイデアもあったそうです。

ただ、今回は完全に新しいストーリーを一から作ってるとのこと。

そのタイトルは既に決まっていて、その名も"FIRST FROST"。

「FIRST FROST?・・・ってーことはひょっとして」

と思った人がいたら正解。

新作ではありますが、内容は既刊のフロストシリーズの前日譚になるとのこと。

実はまだ執筆中らしく、詳しいことは不明ですが、"FIRST FROST"では、ジャック・フロストの巡査部長時代が舞台になるんじゃないかと言われています。

私がやりとりをしたエージェントの言葉をそのまま使えば、読者は「他の作品よりもちょっとだけ若く、経験も浅い」ジャック・フロストが登場するというわけで。

ファンにとっては、確かに興味がそそられます。

で、ここで肝心なのは、その新作を書いてるJames Henryというのは誰か?

一人はHenry Suttonというミステリー作家。

これまで5作の小説を発表しており、ミステリ以外にもジャーナリストとして様々な新聞や雑誌に記事を書いているそうです。ざっと調べましたが邦訳は無さそう。

寡聞にして私も初めて目にする名前で、当然この人の作品は読んだことはないので、作家としての手腕についてはなんとも言えません。

ちなみに今年、"Get Me Out of Here"という小説を出したばかり。

なんでも「アメリカン・サイコ」を21世紀のロンドンを舞台にアップデートした、みたいな話らしいんですが・・・。

今のところこの作品のイギリスでの評価は中々みたいです。

そして、もう一人はJames Gurbutt。この人は・・・えーと。

元出版社勤務だったそうです。

え?それだけ?

そう。それしか分かりません。

何故この人が執筆陣に加わってるかは、本当に謎です。

そしてさらに驚きのニュース。

このフロスト警部の「新作」を出版するのはTransworld社というところなのですが、実は既に2作分の契約をウィングフィールドのエージェントと交わしています。

つまり、"FIRST FROST"の後に、少なくとももう一作は「新作」が出版されるということ。

"SECOND FROST"? いや、まさかね。

ちなみに、これらの「新作」の出版を許可したのは、故ウィングフィールドの一人息子フィリップさんなのですが、彼曰く、

「彼らは父のスタイルを驚くほど上手く掴んでる。これまでのファンも新しい読者もきっと喜ぶと思うよ」(意訳)

だそうです。私が聞いたエージェントも、「まだ執筆の初期段階だが、彼らはウィングフィールド氏の偉大な作品のスピリットを掴んでいる」と言ってます。

だと良いですね。

現在のところ、この「新シリーズ」を東京創元社が出版するのかについては、未定のようです。

ということで、まだあまり日本では知られていない(であろう)フロスト警部シリーズの「新作」についてご紹介してみましたが、実はこの「新作」に対して遺憾の意を表明している方がいます。

マスコミ嫌いで、ほとんど表舞台に立つ事のなかったR.D.ウィングフィールドと、生前付き合いのあった数少ないミステリ作家です。

その人が知るウィングフィールドの色んなエピソードについて、次回は紹介する予定。

いや元々はそれが書きたくて調べてたんですが、この「新作」のせいで予定が狂いました。

ではまた。




関連エントリ
・フロスト警部シリーズの今後について、驚きのニュースを小耳に挟んだ。
・フロスト警部、シリーズ終了の危機?
・R.D.ウィングフィールド氏が亡くなりました。
【2010/03/18 02:21】 | 読書関連 | トラックバック(0) | コメント(8) | page top↑
フロスト警部シリーズの今後について、驚きのニュースを小耳に挟んだ。
たまにアクセス解析ツールなんぞを見たりするのですが、その中で常に上位にいる言葉がこちら。

「フロスト警部」

海外ミステリを読まれる方ならご存知でしょうが、イギリスの作家R.D.ウィングフィールドが生んだ名物警部です。イギリスではTVシリーズの人気も相俟って、シャーロック・ホームズと並ぶ国民的人気のあるキャラクターだそうで。
(モースとかダルジールの立場はどうなる?ってな突っ込みはさておき)

このブログには3・4回エントリを書いただけなんですが、未だにそれらの記事を探して訪問される人もいるようで、日本におけるフロスト警部シリーズの人気の高さを実感したりしています。

とはいえ、2007年7月に作者のR.D.ウィングフィールドが亡くなり、2008年4月に最後の作品"A Kiling Frost"が出版されてからもう2年近くたっており、新しい情報も出てこなくなりました。

何か話題が出てくるとしたら、未訳の2作品の日本での出版が今世紀中に実現するか、22世紀になるかってなことくらいなもんで。そんなこと私にも分からないし。

それでも最初に書いたように、いまだに「フロスト警部」で検索してたどり着く方がいるので、せっかくだから何か書けることないかなぁと思って調べてみたところ。

ひょんなところからR.D.ウィングフィールドのエージェントとやりとりをすることができました。

その人から聞いた仰天のニュースが2つ。

(1)日本では、フロストシリーズの残り2作「Winter Frost」は2010年、「A Killing Frost」は2011年に発売するらしい。

(2)イギリスではフロストシリーズの最新作が2011年に発売される予定。


なんとまぁ。

あっさりと何やら凄いニュースが出てきました。

・・・ただし、(1)については正直なところ疑問が残ります。というのも、これまでの翻訳ペースから言って、2年連続でフロストの新刊が出版されるというのはちょっと考えにくい。しかも、2作品とも過去の作品よりもボリュームのある作品なので、本当にそんなことが可能とは思えません。いやまじで。

フロストシリーズを担当されている名翻訳家の芹沢恵さんが細胞分裂して10人くらいに増えた、ってニュースが最近あったならまだ信じられますが、そんなニュースは目にしてないし。何言ってるんだ私は。

ただ、少なくともイギリスにいるウィングフィールドのエージェントはそういう認識だそうです。それは間違いありません。

(2)については、多分まだ日本ではほとんど知られてないニュースだと思います。そもそも、イギリスでもまだ知ってる人は少ないはず。

っていうか、ウィングフィールドが亡くなってるのに最新作って一体どういうことだ、遺稿が発見されたのか、はたまた誰か別の人が書くのか、どんなストーリーになるんだ等々、ファンとしては気になるところだと思います。

実は仮のタイトルを含め、既にある程度の情報は入っているのですが、今日はとりあえずここらへんで。すぐに続報を書きます。

多分。

ではまた。

追記:フロスト警部の「最新刊」については、イギリスでは昨年、既にニュースになっていた模様。迂闊。

ニュースのリンクはこちら

この作品、フロストシリーズの前日譚ということで、James Henryというペンネームで2人の人間が執筆に関っています。詳細はやっぱり後ほど。




関連エントリ
・フロスト警部、シリーズ終了の危機?
・R.D.ウィングフィールド氏が亡くなりました。
【2010/03/16 22:49】 | 読書関連 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
The Lost Symbolについてブツブツ言う。
諸事情により進んでなかったダン・ブラウンの最新作”The Lost Symbol"(邦題:ザ・ ロストシンボル)をようやく読了。

The Lost Symbol

トム・ハンクス主演で映画にもなった「天使と悪魔」、「ダ・ヴィンチ・コード」に続くシリーズ第3作です。

出版初日に100万部、その週だけで200万部売れたという歴史的売れ方をしています。

早くも映画化が決まってるそうで、2012年に公開予定。

ダン・ブラウンのロバート・ラングドンシリーズの説明は要りますかね?

今回もハーバードの象徴学者、ロバート・ラングドンが歴史の陰に隠されてきた秘密をごく短時間で解き明かしていきます。(←説明になってない)

まずはあらすじ。



ある朝、ロバート・ラングドンは、長年の友人でもある大富豪、ピーター・ソロモンから突然呼び出され、講演を行うためにワシントンにあるキャピトルヒル(合衆国議会議事堂)に向かいます。

ピーター・ソロモンはスミソニアン博物館の館長でもある一方で、フリーメーソンの最高位の司祭としても知られている人物です。

議事堂に到着したラングドンは、講演というのはラングドンを呼び出すための罠であり、ピーター・ソロモンは何者かによって誘拐されていることを知ります。

時を同じくして、キャピトルヒルのロタンダ(円形大広間)では、切断され、指に星と王冠の刺青が施されたピーター・ソロモンの右手が発見されます。

ピーター・ソロモンを誘拐した犯人は、人質の命と引き換えに、午前0時までにロバート・ラングドンにフリーメイソンが長年秘めていた古代の暗号を解読するよう要求します。

すると、どこから情報を得たのか、突然CIAが現われ、この事件の背景には国家の安全をを脅かす重大な秘密が潜んでいるといい、犯人の要求どおり、ラングドンに暗号の解読を迫ります。

ラングドンは、果たして時間までにフリーメイソンの究極の謎を解き明かし、ピーターを救うことが出来るのでしょうか?




というわけで、なんだか軽い既視感を覚えるプロットで始まるこのThe Lost Symbolですが・・・。

以前、ダ・ヴィンチ・コードを読んだときに、こんな感想を書きました。

「次々と明かされるトリヴィアと、息をもつかせぬスピーディーな展開が凄く良く出来ている。」

・・・まぁ、今回も同じような感じです。はい。

いやいや、これじゃ何も言ってないのと一緒か。

もう少し頑張ってみよう。

良い点を書くと、ページターナーとしてのダンブラウンは本当に上手いと思います。

読み始めるとなかなか止められない。暗号もよく出来ていて、好奇心を引っ張る手腕は流石だと思います。

一見解けたかと思われた暗号には、さらに暗号が隠されていて、その暗号も実は・・・みたいな感じで、自分で解くことは絶対無理な暗号なのに、ついつい答えが気になってしまうのは確か。

サスペンスの盛り上げ方もお手の物。特に中盤過ぎたあたり、ラングドンが決定的なピンチに陥るシーンなんかは本当にドキドキしました。

あと、CIAが使うガジェット類なんかも面白かったです。熱感知ゴーグルってのは聞いた事がありましたが、今回CIAが使うその発展型アイテムってのは本当に凄い。実在するかどうかは知りませんが。

そんなこんなで、全体の3分の2くらいまでは、大変楽しめました。

ただねぇ・・・不満が色々あります。

まず、上で既視感と書きましたが、それは別に文句じゃありません。

「時間制限のある暗号解読と観光名所巡り(追手付き)」

これは「天使と悪魔」以来のラングドンシリーズの基本フォーマットなんで、そこに文句を言うのは野暮ってもんかもしれません。

ジェフリー・ディーバーの作品を読んで「どんでん返しが多くて疲れる」とか言うのと一緒。もしくは立川談志師匠の表現を借りるなら、「北海道に言ってシャケを食わされて文句を言う」ようなものです。

それ以外のところで、今回は前作、前々作に及ばない点が多々。

こっから先は文句ばかりになると思うので、このシリーズのファンの方は読まないで下さい。

それでは、思いつくまま文句を書いていきます。

(1)変な日本人がいる。

この作品では、日本の読者には嬉しいことに、日系アメリカ人がかなりの重要人物として出てきます。

CIAの安全保障局の局長、小柄な黒髪の女性で、その性格は冷酷かつ強引。首には喉頭癌の手術痕が残るチェーンスモーカー。名前が出てきただけで関係者を震え上がらせるというかなり強烈なキャラクターです。

個人的には、この作品では彼女の造形が一番良かったと思いました。悪役なのか味方なのか、さっぱり分からない上に、他人からは情報を吸い上げ、顎で使う一方、自分の情報は一切与えない。なかなかカッコいいキャラクターです。

ただし、問題がひとつ。

彼女の名前はイノウエ・サトー。

売り出し中の漫才コンビ? いえ、一人の姓名です。

あー、近藤サトみたいな感じ? いえ、姓がサトーで、名がイノウエです。

なんだそりゃ。

というわけで、ダン・ブラウン、またやらかしました。

また、というのは、この人の作品に出てくる日本人はまともな名前が付いたためしがありません。

ここらへんについては、cyberbabeさんが昔にエントリを書いてらっしゃるので興味がある方はご覧ください。

最初この名前を目にしたとき、「このあからさまに怪しい名前、日本人を騙ってて、実は・・・?」というオチかと思いましたが、全然そんなことはなくて二度びっくり。

「イノウエ・サトー」って名前が変なことくらい、ネイティブチェックどころか、日本に少しでも住んでる人が聞いたら「おかしくね?それおかしくね?」と気づくもんだと思うんですが、そういうことはしないのでしょうか。

実際、日本に1年住んでいたというアメリカ人に聞いてみたら、「・・・それ、両方とも苗字だよね」と一発で気づいてたくらいです。

ダン・ブラウン、フリーメイソンの儀式とか議事堂の秘密とか調べるのに一生懸命で、こういうのはチェックは忘れてしまったんでしょうか。

このイノウエ・サトーがよく出来たキャラクターだけに、もったいないったらありゃしません。

つまんないこと気にすんな、と言われるかもしれませんが、実は、こういうなんというか「詰めの甘さ」というのがこの作品全体には散見されます。ある意味で、イノウエ・サトーという名付けのガッカリ感がこの作品全体を象徴してると言っても良いかもしれません。

(2)ミスディレクションが卑怯。

詳しく書くとネタバレになりますし、まぁなんだ、ミステリーの穴ってのは結構人によって許容できる範囲が違うので、あまりどうこう言いたくないのですが、個人的にはどうしても気になることがありました。

この事件の犯人というか、首謀者の正体について、ダンブラウンは不細工なミスディレクションをやらかしています。

いや、ミスディレクションにもなってない。なんというか「いやいや、お前が○○なら、じゃああの時の××は誰よ」的な矛盾です。

理屈は想像できるんですが・・・でもやっぱり許せない。

なぜならこんな「卑怯な」手を使わずに処理できる伏線のはずなので。

「信頼できない語り手」ってそういう意味じゃないだろう、って感じで。

しかもミスディレクションが卑怯な割に、あんまり通用していないという二重の悲劇。正体が分かっても全然驚けないのですよ。

ああもう、ここらへんは他に読んだ人と是非話し合いたいです。

(3)ラストが冗長。

今回、アメリカ建国時の歴史、フリーメイソンが隠す究極の秘密とNoetic Science、その他色々なネタをごった煮にしてますが、今回は前作、前々作より上手くまとまってない印象が強いです。その証拠ってわけじゃないんですが、ラストが冗長。事件が終わってからの登場人物同士の語り(=説明)が長すぎます。

一応、色々面白いネタは出てくるのですが、「そういうことは本筋の中に絡めては如何でしょうか?」と言いたくなることがしばしば。

しかもその語り手ってのが、数時間前に○○を失ったり、○○を亡くしたばかりか、○○の正体が○○だったりしてて、本当だったら凄まじい精神的/肉体的ショックを受けて一週間くらい寝込んでるべきなのに、なんだか元気にゆったりと楽しくお喋りしたりしてて、読んでいて異様な感じがします。

この部分、例えば「1年後」とか、それで長いってんなら「半年後」にしても全然構わないはずなのに、なんでそうしなかったんでしょうか。

あまりにも異常な感じがしたので、ひょっとしたら残り数ページでどんでん返しがくるかと思ってハラハラしました。(←ディーバーシンドロームと名付けたい)

結局、最後に至っても本当に何にも無いので、「いろいろ言い残したから、ここでまとめて言っといたからね!」という印象だけが残ってます。

(4)国家を揺るがす秘密?

「天使と悪魔」「ダ・ヴィンチ・コード」過去の2作品ではそれなりに大きな秘密が存在して、どちらも、防げなかったら世界的な事件になること間違いなし、という設定でした。

が、今回の「The Lost Symbol」では何と言うか、その秘密の存在がショボすぎます。

作中、中心人物の一人がその「秘密」を知って顔面蒼白になって震えだすんで、一体どんな凄まじい秘密なのか、とか思ってましたが、実際にその内容を知ると、

「え?・・・それだけ?」

と思っちゃいます。どうなんだろう、アメリカ人は違う捉え方をするんですかね。

個人的には、秘密のショボさのあまり、クライマックスに至ってもそんなにハラハラできませんでいた。

うーむ。

(5)擬似科学が入ってる。

所詮フィクションなんだから、そんなことに目くじらを立てても仕方がないと言われそうですが、Noetic Scienceに絡めて、日本がいまや世界に誇る疑似科学、「水からの伝言」のネタが入ってます。そうあの、あれです。水に声をかけると色んな結晶が出来るって奴。

これも作品に関係ある嘘(=フィクション)ならそれで良いんですが、ダン・ブラウンはご丁寧に作品の前書きで、

「この作品に登場する科学はrealである」

とか書いちゃってるし。駄目じゃん。
そもそも、Noetic Scienceがいつからきちんとした科学になったんだ。

まぁ、この点は個人の好みなんですけどね。でもこれで私にとって、この作品の魅力が随分減点されたのは間違いありません。

その他にも、そもそもダン・ブラウンの宗教観自体が浅くない?とか、いくら「巻き込まれ型」だからって、3作目になっても主人公が全然成長しないのは何故?とか、悪役の行動原理が無茶苦茶じゃない?とか、ジャンル小説に求めちゃいけないようなツッコミが浮かんできますが、これ以上書いていても野暮な気がするので止めておきます。

というわけで、ダラダラ書いてきましたが、この作品の個人的評価としては、

「天使と悪魔」よりかなり落ちる。「ダビンチ・コード」よりも下の出来。でも、ワシントンD.C.に行く人は飛行機の中で読めばきっと楽しい。

そんなところでしょうか。

あと、次作では大富豪を出すのは禁止。

ではまた。

テーマ:アメリカ生活 - ジャンル:海外情報

【2009/10/23 01:24】 | 読書関連 | トラックバック(0) | コメント(8) | page top↑
Kindle rekindled my love of reading
いわんこっちゃない。

ということで、連日で更新するつもりが気つけば一週間以上たってました。

どうもすみません。またバンクーバーとか行ってたもんで、えへへ。

さてそれでは前回の続き。私の最近のオモチャの紹介を致します。

妻が高い評価を受けた結果、私が貰ったプレゼント言うのはこれでした。

kindle

じゃじゃーん。

これでも分からない人がいるかもしれませんが、Amazon のKindleという電子ブックリーダーです。

ちなみに新品(同様)ですが、これは一世代前の機種。Kndle 1st Generationというやつ。

なぜわざわざ前の機種を買ったかについての理由は割愛しますが、これが家に届いて以来、暇さえあればいじってます。ああ楽しい。

電子ブックリーダーというものになじみがない方に説明すると、要するに本が読める機械です。

アメリカでも色々なメーカーが商品を出していますが、おそらく一番売れていて、話題にもなってるのがこのAmazon Kindle。

通信機能がついており、Amazonアカウントを持っていればPCに繋ぐことなく、ダイレクトに商品が購入できます。

現時点でおよそ35万冊の本があり、新刊であれば大概のものはこれで読むことが出来るというわけ。

なんでそんなもんをワザワザ買ったかというと、理由は二つ。

1.普通の本を買うより、かなり安く購入できる。

アメリカのハードカバーは大体$30前後。それが基本的に$9.99で買えます。約3分の1。ペーパーバックより断然安い。まぁ古本ほどじゃありませんが、かなりお得。

どうですかcyberbabeさん。

2.スペースを取らない。

私のように無分別に本を買う人間にとって常に問題となるのは、本を置くスペースの確保。アメリカに来る時に一旦ほとんどの本を処分した私ですが、渡米以来気づけば本棚が2つ埋まってしまい、もう何がなんだか分からなくなっています。

しかも洋書というのは和書よりもかなりデカイので、その置き場は常に頭痛の種になってました。おもに妻の頭痛の種ですが。

そしてハードカバーのもうひとつの欠点は、持ち歩きに向かないということ。旅行先にハードカバーを持ってこうもんなら、自分用の枕を持ちあるくのと同じくらい嵩張ります。

それが、このKindle、本体のメモリだけでもおよそ150冊分の本が保存でき、2GのSDカードを使えばその量はざっと10倍の1500冊。

私は洋書だったらせいぜい月2・3冊くらいのペースなので、えーと約40年分。喜寿を迎えるまで本の場所に困ることがありません。

そして自分の本棚をそのまま持って歩けるという、本好きにとっては夢のようなことが実現するわけです。

どうですかcyberbabeさん。(←くどい)

パリパリのハードカバーを持つフェティッシュな喜びと、かさばる本を持ち歩く苦役からの解放を比較して、後者を選びました。

まぁそれでも多分、サイン本や本当に好きな本は別に買ってしまう気がしますけどね。

あと特筆すべき機能としては、辞書がついてます。デフォルトではThe New Oxford American Dictionaryですが、これも自分好みの辞書を購入すれば、交換可能。

通信機能を使えば、一応wikipediaも見れます。かなり使い勝手に問題がありますが、普通のウェブサイトも見る事ができます。

また、ほとんどの本はサンプルとして最初の1章が無料でダウンロードできるので、タイトル買いや少ないレビューを信じて大失敗なんてこともありません。

あとそうそう、なんと通信料が無料。将来的に使われるであろう通信料は、本体料金に含まれているというわけです。(ってそういう説明でいいのかわかりませんが)

ネットワークには携帯電話会社のものを使っているため、wi-fiを探したてウロウロする必要も無く、ほぼどんなところからでもネットに繋ぐことができます。

電子ブックリーダーを使ったのは初めてだったので、最初はどんなもんかなと思ってましたが、今のところの満足度は上々。

e-inkという技術を使っているため、ディスプレイで文章を読むときのような目の負担が少ないのにも驚きました。

ただこの技術つきものの問題(っていうか仕様)らしいのですが、次のページに移るたびに画面が真っ黒になります。

昔どこかの人が、キンドルのこの画面のブラックアウトがどうしても馴染めないといってたのを思い出しましたが、個人的には慣れればなんと言うことはないです。

他にも電子ブックだけに、自分の蔵書の中から単語や文章を検索したりできるのも面白い。例えば、シャーロックホームズの全作品をダウンロードすれば、即座にあの有名な台詞、

"Elementary, my dear Watson."(初歩的なことだよ、ワトソン君)

が、どの作品のどの場面で使われているか分かるわけです。(ちなみに答えはゼロですが)

あと、本をダウンロードするってことは、Kindleが壊れたらどうするの?という疑問も生まれますが、Amazonで購入したものについては全てAmazon側でバックアップを取っているので安心です。PC側で保存することも可能。

Amazonが無くなったらどうすんだ、とかそういう疑問は考えない方向でよろしく。

一方で、「ん?」と思ったところはこんなとこ。

・ちょっと遅いっていうか重い。

その時々で違いますが、ページを捲るときに1秒くらいの間が空きます。これも慣れれば良いんですが、問題はキーボードの方。反映されるのが遅いので、単語をだだだと打ち込むと、文字が表示されるのは「だ・・・だ・・・だ」という感じになります。これで分かるかしら。

んで、例えば最後の一文字を打ち間違えたと思ってバックスペースしようとすると、つい押しすぎてしまって余計な文字まで削除しちゃったり。これもまぁ慣れなのかな?まぁこのキーボード使って長い文章は書く気はないので良いですが。

あと同様に辞書も遅いです。これだったら正直、使い慣れた電子辞書を懐から出して調べたほうが早い。

・本の整理がしづらい。

キンドルに保存された書籍および画像は、すべて同じレベルで管理されます。って要するにフォルダが作れないってこと。
だから分類なんかは出来ません。書籍名、筆者名で並び替えや検索はできますが、せめてカテゴリー分けくらい出来たらいいのにと思います。
今は数冊しか入ってないので何の不便も感じませんが、量が多くなったら面倒になる予感。

・ウェブが見にくい。

電子ブックリーダーなんだから、ウェブ見てどうすんだ、って突っ込みはさておき、やっぱりレイアウト、操作性も含めてネットをブラウジングするには向いてません。Kindle2で改善されたかどうかは知りませんが。

まぁ他にも色々文句はありますが、これを手に入れて以来、片時も手元から離すことなく読んでます。ええブログを更新する気にもならないくらい。

最初に読んだ本は、スティーヴン・キングがKindleのために書き下ろしたという中篇"UR"、その後Project Gutenberg(アメリカの青空文庫のようなもの。って説明が逆か)からダウンロードした"The Adventure of Sherlock Holmes"でそのまま勢いづいて"A Study of Scarlet"を読了。

現在はダン・ブラウンの最新刊、"The Lost Symbol"を読んでおります。(上の画像はKindleで見たタイトルページ)

これから年末にかけて、スティーヴン・キング久々の大長編"Under the Dome"やスティーブン・ハンター"I, Sniper"などが出版される予定なので、この新しいオモチャで読むのが楽しみです。

タイトルにも書きましたが、私の読書欲に再び火をつけたキンドルでございました。

ではまた。

※余談

最初のタイトル案は「私はりきんどる」 or 「キンドルで読んどる」だったのですが、妻に本気で呆れられたので止めました。でも悔しいので書いておこう。

テーマ:アメリカ生活 - ジャンル:海外情報

【2009/09/24 10:35】 | 読書関連 | トラックバック(0) | コメント(4) | page top↑
ジェフリー・ディーヴァーのサイン会&朗読会で見聞きしたこと。(本編)
前回のふざけたエントリから続きます。

こっちが本編。

まず、最初に注意しておきますが、今回のサイン会で得た情報は、私の限定的な英語能力で把握できた範囲で書いています。

よって、聞き間違い、聞きそこない、聞き逃し、はたきこみ、うっちゃりなどもあるかもしれません。我ながら怪しい理解なものは排除していますが、それでも夾雑物というか、ノイズ的な何かが入ってしまうかもしれないので、その点はご了承ください。

なので、ディーヴァー氏の発言として括弧書きしているものも、一言一句そのまま再現してるわけじゃないってことです。間違いなどあった場合は全て私の責任です。

あとそうだ。長くてすみません。

jd2009





三度目に見る生のディーヴァー。流石に最初の頃のような興奮はありませんが、やっぱりちょっと緊張します。なんでよ。

イベントは演台に立った、ディーヴァー自身の口から語られる著者紹介から始まりました。ただの自己紹介ではなく、「ジェフリー・ディーヴァーは・・・」という形で語ってるところがちょっと面白い。

作家になる前は、ジャーナリスト、弁護士、フォークシンガーなんて仕事をやっていたことや、代表作としてはリンカーン・ライムやキャサリン・ダンスシリーズを書いていることと言った、ここに来ている人たちならば知ってて当然の基礎知識から話していきます。

ここで面白かったのは、今回の新刊でもあるキャスリン・ダンスシリーズを紹介するときに、現在アメリカで放送している、ティム・ロス主演のテレビドラマシリーズ"Lie to Me"について言及したこと。

lie_to_me


「キャサリン・ダンスはキネシクスという技術を使って犯罪を調査していきます。このキネシクスというのは、テレビドラマの"Lie to Me"なんかでご存知の方もいるかもしれません。・・・私に言わせればこのドラマの副題は"Steal from Me"だと思いますが(笑)」

ご存じない方に説明すると、"Lie to Me"というドラマは、キネシクスを操る心理学者が、尋問により嘘を暴きながら事件を解決するという、キャサリン・ダンスの設定そのまままのドラマで、最近シーズン2の放送が決まったテレビ番組です。

私はこのドラマの設定を知ったときに、てっきりなんらかの形でディーヴァーが関わってるのかと思ったんですが・・・違った模様(笑)

そして新刊、"Roadside Crosses"の説明に移ります。

内容を箇条書きにしてみました。括弧内は私による追記。

・"Roadside Crosses"、"Blue Nowhere"(邦題:青い虚空)、"The Broken Windew"(ライムシリーズ第8作。未訳)につながる三部作の最後となっている。とはいっても、登場人物が共通しているわけではなく、テーマが共通と言う意味。

・そのテーマとは、テクノロジーの発達によって、バーチャルワールド(意訳。原語はSynthetic World)とリアルワールドの境界があいまいになりつつある現代を描写しているということ。

・この作品では、ブログやSNS、ネットにおけるいじめなどが主な題材となっている。

・作中、ヴァーチャルワールドとリアルワールドの融合を図る試みとして、作品中に登場するURLを実際にブログとして立ち上げていて、読者はネット上で実際のブログを読むことができる。

・実際に見なくても物語を理解する上で支障はないが。作品では触れられてないディティールや、ひょっとしたら不快な画像なども観る事ができるようになっている。

・ディーヴァーは作品を書く上で、ミッキースピレインの言う、"“Nobody reads a mystery to get to the middle. They read it to get to the end. If it's a letdown, they won't buy anymore"(←上手く訳せません。要するに最後までページターナーであるべし、ってことか)をモットーとしている。

・この作品も、彼の他の作品と同様の構造をもっており、事件は比較的短期間で起こる。この作品でも物語は3・4日間の出来事を描いており、結末はサプライズエンディング。に次ぐサプライズエンディング、に次ぐサプライズエンディングのまたサプライズエンディング、に更にサプライズエンディング(笑)・・・彼は本当にこういうスタイルが好きなんだね。(←と、本人が言ってました)

・彼は既に次の作品、リンカーン・ライムの新作を書いており、"×× and Wire"(←ごめんなさい。自分の書いたメモが解読不能)というタイトルになる予定です。次の作品では、これらトリロジー("Blue Nowhere"、"The Broken Window"、"Roadside Crosses")のようなハイテクを題材にするのではなく、よりローテクな話になる。

・なので、来年出る予定のリンカーン・ライムの新作を読むと、読者はきっと電球を取り替えることが出来なくなる。あと部屋のスイッチも怖くて触れなくなるし、シャワーを浴びるのも躊躇するようになるし、プールにも泳げなくなるかもしれないし・・・(以下観客が笑い出すまで続く)、と言うような話になる。

という感じでディーヴァー自身による著者紹介&今後の動向のお知らせ、が終了。

まだどのインタビューにも出てないライムシリーズの新刊情報まで聞けるとは思いませんでした。そして自分の字が解読不能になるほど汚いとも思いませんでした。>自戒

その後、お楽しみの作者による朗読会に移ります。

と、ディーヴァーは懐から折りたたんだメモを取り出すと、今回、作品の朗読はしないと宣言。

「今日のサイン会のために本を買ってもらってるかもしれないけど、ここで僕が朗読したらもう一回お金を貰わないといけないからね」なんて冗談を飛ばします。

代わりに読むといったのが、なんと彼の日記。どうやら長年日記を書き続けているので、その中から抜粋して読むことしたそうです。

と言って、ディーヴァーは自身の日記の抜粋(と称するもの)を読み始めました。

"○月○日、犬に餌、自分も食事 (原文は"Feed dog, feed self"上手く訳せません)で始まるこの日記は、比較的最近のディーヴァーの一日の描写から始まりますが、突然過去の日記になったと思うと、また最近のものに戻ったり、という何というか錯時法的な感じで語られました。

これが面白かった。

具的的には、こんな感じのエピソード。

・肝となる章を書きあぐねる内に、トイレの修理や犬の餌の買出しなぞを始めてしまい、結局執筆が進まなかった日のこと。

・生まれて初めてのサイン会で訪れたアルバニーでは、サイン会に2人しか来ず、おまけに一人はディーヴァーを名前の良く似た別の人物と勘違いしていたこと。

・駆け出しのころ参加した作家会議で、隣に座っていた某超大物女流作家が発言した「アウトラインなんか書いたことないわ!あんなの何の役にも立たないもの!」という言葉に苛立つものの、の後「で、ディーヴァーさんはアウトラインを書きますか?」と言われて窮地に陥ったこと

(知ってる人は知ってるでしょうが、ディーヴァーは1冊のアウトラインを書くだけで8ヶ月費やすことで知られています。)

・外国のファンから熱烈な応援メールを貰ったと思い、読み進めてみたらスパムだったこと。

(説明が難しいのですが、アメリカでよく来るスパムメールのパロディみたいな文面でした。「アフリカの小国で革命が起こったのだが、隠し資産をあなたの口座で一時的に預かってくれ」みたいなやつ。)

・作品を執筆中、つい我慢できずにジョン・ル・カレの新作を読んでしまったために、自分の作品が途中から無茶苦茶ル・カレ調になってしまったことに気づき、泣く泣く該当部分を書き直したこと。

・イタリアで受けたインタビューで、記者が引用した批評家の発言にカチンと来たので、「批評家なんて、自分が出来ないことをやってる人間のことを、偉そうにああだこうだ言うだけの連中だ」と言ったら、その記者も大変有名な批評家だったので、後で面倒なことになったこと。

・例の書きあぐねていた章に取り掛かろうとしたら、PCのファイルが開かず困惑。慌ててサポートに電話したら運よく繋がったものの、そこでは解決できず、インドのサポートセンターに飛ばされたこと。そしてそこは明らかにインドのはずなのに、オペレーターはレッドソックスのファンだと言い張ったこと。

他にも色々あったのですが省略。

私の文章ではきっとその面白さの10%も通じてないことに絶望。

とにかく、30分ほどの時間を使ってのこの日記朗読会、ディーヴァーの作品から得られるイメージとは随分違う、お茶目な一面が良く分かる、ファンにとっては大変興味深い演目(?)でした。

その後はQ&Aに。

早速手を挙げるものの、私の前に座ってる男性も手を挙げたために指されず。二列目に座った罰が当たったか。

こんな質疑応答がありました。これまた抜粋。

・作家と出版社の関係について。

→ディーバーは自らを職人と思っている。作家と出版社というのは、より良い商品を作り上げるためのパートナーであるべきだと思う。色々仕事をやってみたけど、自分は本当に、心の底から本を書くのが好きで良かった、と思ってる。

・リサーチはどうやってるか、どれくらい時間をかけるか。
→リサーチに掛ける時間は膨大だが、実際に本に使うのは10%ほど。

・ライムとアメリアの今後の関係
→この二人の関係のことを、ディーヴァーはソープオペラ的パートと呼んでいるが、サスペンスを盛り上げる重要な要素とも考えている。最新作でもこの二人の関係は大きな鍵になると思う。

・ライムの治療の可能性
→これは非常に難しい問題だが、正直言ってディーヴァーが作家の都合で決めるというよりも、現実の医療技術の発展にともないライムが決めることになるだろう。つまりリスクとリターンのバランスを、ライムがどう判断していくかということだ。これを踏まえて常に最新動向をチェックしている。

・ライムのようなキャラクターはどうやって思いついたか。
→シャーロック・ホームズの兄、マイクロフトのようなキャラクターを描きたいと思ったのがきっかけの一つ。調査に奔走し、変装したりもする活動的なシャーロックと違って、マイクロフトは完全な安楽椅子探偵。その部分でライムはマイクロフトの影響を非常に受けている。

・タイトルはいつ、どうやってつけるか。

これ。この質問は私がしました。とはいえ、私が考えたものではありません。

前回に引き続き、なんか質問しなきゃと思っていたのですが、今回はどうしても思いつかなかったので、某SNSの「ジェフリー・ディーヴァー」コミュニティで質問を募集したところ、ゆーみんさんからアイデアを頂きました。本当に有難うございました>ゆーみんさん

私は、まずディーヴァーに、簡単な自己紹介をした後で、ディーバーの作品は日本でも大変人気があること、例えば日本の某SNSではディーヴァーのコミュニティもあり、メンバーが500人以上居て、今回の質問はそのメンバーからアイデアを貰ったことなどを話しました。

まず、ディーヴァーはそれに答える形で、日本でも沢山の読者がいて、最近ではベストテンにランキングされることもあったと話してくれました。
このミスや文春のミステリベストなんかも知ってるんですね。そしてここで驚愕のニュースが。

なんと、ジェフリー・ディーヴァーが10月に来日するそうです!!!

これまでブックツアーとして世界各国を回っていたディーヴァー。かつて日本を通り越して台湾に行ったりしたことが一部のファン(例:cyberbabeさん(笑))を落胆させてきましたが、ここ数年の日本での人気上昇が来日のきっかけになったことは疑いがないでしょう。

詳細は不明ですが、是非、日本のファンの方にもディーヴァー本人と対面して欲しいと思います。

それはさておき、肝心の質問のほうですが、ディーヴァーは私の質問に対してこんな感じのエピソードも絡めて答えてくれました。

・タイトルの決まり方はそれぞれの作品によって違う。ただ、タイトルをつける時に気をつけているのは、2重の意味を持つようにしているということ。読んでもらったら分かると思うけど、(昨年出た)Bodies left behindもそうだし、(新刊の)Roadside crossesもそう。

・タイトルをいつ決めるかについてだけど、例えば、The Broken Windowは当初、The Black and White Rainbowというタイトルにするつもりだった。これは、人間が、デーマイニング会社などによって、単なるデータとして管理される未来を暗示したかったんだけど、編集者からストップがかかった。

・というのは、どうもミステリらしくないんじゃないかと、そしてなにより、既に同じタイトルをもつ絵本が出ていたので、紛らわしいから替える事にした。その絵本の内容?、突然色が無くなった世界で奮闘するねずみの話なんだけど(笑)

・もちろん書きながらタイトルが決まることもある。Roadside crossesはまさにそのパターン。書いているときにずーっとRoadsideのイメージが頭の中から離れなくて、書いてる最中にこのタイトルで行こうと決めた。そんな感じかな。

そんな感じで質問タイムも終了。

椅子を片付けてからサイン会になりました。

ここまで小一時間、店内をキィー!キィー!と叫ぶ娘を小脇に抱えて右往左往していた妻と合流。げっそりしてる妻。本当申し訳ない。

列にならぶこと10分ほど、購入したばかりの"Roadside Crosses"とサインしてもらい損なってた"The Bodies Left Behind"を持って、ディーヴァーに挨拶。

妻に抱かれた娘に目をむけ、この可愛い子の名前は?と聞くディーヴァー。

「ケメです。日本語ではフラワーって意味です」(ケメはあくまで仮名なので。ちなみに"ハナ"ではないです。)、と妻。

「この子はディーヴァーさんに去年も会ってるんですよ。シアトルで」と言ったところ、はっとした感じでディーヴァーは身体を仰け反らせました。

「え!あ!覚えてるよ!あんなに小さかった赤ちゃんかい?」

おおお。覚えててくれました!赤ん坊なんてどうしたって大きくなるので、ひょっとしたら覚えて無かったかもしれないけど、そう言ってもらえるのは嬉しいものです。

「やあケメ、大きくなったね。君は賢そうな顔をしてるから、来年はきっと大学生だね」

と、話しかけれ、泣きそうになるケメ。

「うん分かってる。僕は赤ん坊を怖がらせるらしいんだ。」

・・・なんか分かる気がしますって納得しちゃ駄目だな。慌てて付け足す。

「いやいや。この子がシャイなんです」

とかそんな会話。

その他、日本での彼の作品の翻訳事情の話。例えば、ディーヴァーが日本人の友人に「これ僕の本」と言って翻訳版を渡したところ、後日「結末は?」と聞かれ、「読めば分かるのに」と思ったら、日本語版は上・下巻に分かれているということを失念していて、渡していていたのは上巻だけだったことに気づいたとか、そんなエピソードを話してくれました。

いつも通り、サインには「to Twitetta, Domo arigato!」と入れてくれましたが、今回は私の名前の他に、

"to your family (Including beautiful little flower!)"と娘のことも書いてくれました。

「来年もサインしに来るから、是非また家族で来てよ」

そんな嬉しい言葉を貰い、会場を後にしました。

いやぁ、行ってよかった。最初に書きましたが、これまでで一番面白いサイン会でした。

ということで、来年も何とかして行きたいと思っております。

くどいようですが、作品や写真から受ける印象とは若干異なり(笑)、本当に感じの良い人なので、日本にお住まいのディーヴァーファンの方は、是非10月の来日の機会を逃さず、会いに行って欲しいと思います。

ではまた。
【2009/06/09 01:01】 | 読書関連 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
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