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誕生日パニッシュメント
娘の誕生日は4月でした。

アメリカでは結構盛大に子供の誕生日を祝ったりするのですが、我が家ではまぁまだ3歳だし、どうせ記憶にも残らないだろうと、大掛かりなパーティーなぞは行いませんでした。家族だけでちんまりと。

ちなみにデイケアの方では誕生日の子供がいると、親はカップケーキとgoody bags(安いおもちゃを詰め合わせた小袋)をクラスの人数分もってくることになっているので、そちらの方はきちんとやりました。

そんな簡単なことしかしてなかったのですが、どうやら娘にとってかなり記憶に残るイベントだったらしく、「誕生日」というものが何かのマジックワード、日本人にとっての盆と正月、クリスチャンにとってのアセンションのような存在になった模様。

なので、誕生日が過ぎてもう4ヶ月以上も経つのに、周囲の人に

Today is my birthday! ( 今日は私の誕生日!)

My birthday is not done yet! (私の誕生日はまだ終わってないの!)

などと言うことがあります。まいったねどうも。

既に次回の、またはまだ終わってない誕生日パーティーのプランも構想中のようで、時折パーティーについてのアイデアが追加されていきます。

これまで親が把握している範囲では、

・テーマはドラ(子供向けアニメの主人公)
・風船が沢山なければならない。
・Bouncy House (空気で膨らませるトランポリンみたいな奴)があった方が良い。

などなど。段々ハードル(と予算額)が高くなってるのが心配です。

それ以前にそもそも誕生日が何なのかということ自体理解出来てないような気もするんですが、そこらへん大丈夫か。

また、最近は段々と反抗的なところも出てきたのですが、そんなところにまで誕生日パーティーの影響が出て来ています。

何か私達が娘の気に入らないことしたり、言ったりすると、娘は眉間にシワを寄せながらこう叫びます。

You're not coming to my birthday party!(私の誕生日に来ちゃ駄目!)

随分射程距離が長い脅し文句だなそれ、とか思ったりしますが、本人は至って真面目。
悪魔憑きを前に主の名前を唱えるエクソシストの如く真剣、かつその効果について微塵の疑いも持ってないようです。

ちなみに、この物言いに対して、「えー何で行っちゃいけないの?」と聞くと、娘はこう答えます。

Because you are not listening! (だって私の言う事聞いてないじゃない!)

これは別に本当に私が娘の話を聞いてないわけじゃなく、そもそも娘がその前に何も話してなくても言われることあります。

どうもこのフレーズに関していえば、娘のオリジナルというわけではなく、デイケアの先生が元ネタのようです。

というのも、先生が子供達を指導する上で、例えばお菓子を食べちゃ駄目とか、なんらかのペナルティを与える時に理由として「あなた私の言う事聞いてないでしょう!」と言ってるんですね。

そういう日々自分が言われてる言葉を吸収しては使ってる。そりゃー日々英語も上手くなります。

そんなことを思いつつ、先日娘に教育的指導をしたところ、一気にこんなことをまくし立てられました。

You're not coming to my birthday party! (私の誕生日パーティーに来ちゃ駄目!)
Cos you're not listening. (だって私の言う事聞かないし)
You hit mommy,(マミィのこと叩くし)
And mommy is ouiee! (マミィ、痛い痛いになっちゃったし)
And she needs bandage, ...you say sorry! (絆創膏貼らなきゃいけなかったし。...謝って!)

なんだかえらい事になってる。

多分、どのフレーズもデイケアで目撃した先生のお説教を再利用したんしょうが、知らない人が聞いたら通報されそうです。冤罪怖い。

ではまた。
【2011/08/20 01:03】 | アメリカで育ててみる | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
黄色い中国人の謎

"Chinese, Japanese, dirty knees, look at these!"
(中国人、日本人、ばっちいお膝、これなんだ!)

ーアメリカの童謡




御無沙汰しております。
4月あたりから色々ありましてすっかり更新が滞っておりました。
Twitterではたまに呟いておりましたが、なかなかブログにかける時間が無く、さぼりつづけて早四カ月でございます。大変にみっともない事でございました。

さてさて、ブランクの間も娘はすくすくと成長しております。

言葉の発達も目覚ましく、親とも周囲の人間とも普通にコミュニケーションが取れるようになってます。この世界に出て来て3年と少しで人間こんなに言葉が喋れるようになるもんだ、ということに驚き、もうじき米国生活が6年にもなろうというのにこも体たらくは何だい、と己の英語力に呆れる日々です。いっつも同じこと書いてるような気もしますが。そしてこれからも書くでしょうが。

娘の言語能力に話を戻すと、娘は昼間英語の環境、家に帰ってからは基本日本語の生活を送っています。一昔前までは、初手から多言語の環境に子供を置くのは良くない、なんて事も言われてましたが、最近の研究によれば子供の脳味噌というのはもっと良くできていて、そんなに簡単には混乱しないそうです。

例えて言うならば、冷蔵庫に入ってる林檎と蜜柑を区別するくらいの難易度だそうで。つまりたまに林檎のつもりで蜜柑を取ってしまうことがあっても、すぐに気づけるくらいのものとのこと。この喩えがどこまで上手いのはかともかく、まぁそれほど心配する事はない模様。確かに娘をみていると、相手や周囲の状況によって日英を使い分けているので、そんなもんかもしれません。
ただし、やはり他のモノリンガル、つまり英語しか話してない子供に比べると、娘の言葉は少し遅いところがありますが、それは仕方がないかと思ってます。時間が解決してくれるでしょう。多分。

そんなある日のこと。

最近色について語彙が増えてきた娘は、何かと言えば色の名前を叫びます。
絵本を見ながら、親が指差す物の色を口に出しては嬉しそう。
「これは?」
「Blue!」
「じゃあこれは?」
「Orange!」
「これは?」
「Pink!I love pink!」
「そうだね~。じゃあこれは?」
「Yellow Chinese!」

ん?今なんて言った?

「ケメ、もう一回言って見て。これは何色?」
何か違う色でも言ったのかと思ったらしき娘は、若干自信がなさそうに繰り返します。

「Yellow……Chinese」

なんで黄色い中国人が出てくるんだ。てかどこでそんな言葉を仕入れてきた。

とりあえず娘のデータベースから不穏な言葉を取り除かなければ。
「ケメ、Chineseはいらないんだ。俺たちはYellow Japanese、いやそういう事じゃない。Yellow、Yellow。Yellowって言ってご覧」
「Yellow!」
「よしよし。じゃあこれは?」
「Red!」
「じゃあこれは?」
「Purple!」
「じゃあこれ」
「Yellow Chinese!」
「だぁ!違う!」
「…Chinese Yellow!」
「そういうことじゃない!」

娘の頭にはすっかり黄色=Yellow Chineseという、あまり政治的に正しくないフレーズが染み付いているらしく、訂正作業は上手く行きません。

それにしても気になるのは、この言葉を娘はどこで覚えたか、ということ。いくら口の悪い私達夫婦でも、黄色い中国人なんて事は口にしません。どんな文脈だよ。

考えられるソースとしてはたった2つ。デイケアの先生か、クラスメイトです。

まずデイケアの先生というケースですが、これは正直考えにくい。様々な人種の子供が通う娘のデイケアでは、こういう人種差別とも取られかねない発言には充分気を使ってるはず。可能性としては限りなく薄い。

次にクラスメイト。今の娘のクラスメイトはざっくり言って、アングロサクソンが6割、インド系を含むアジア系が3割、アフリカ系が1割と言った感じ。全ての親を知ってるわけじゃありませんが、あんまり偏った人はいないはず。多分。きっと。おそらく。

ただそこで気になるのは、アメリカ人の中には差別意識のないままにそういうことを子供に教えてしまうような人もいるということ。

このエントリーの最初に引用した歌も、一昔前のアメリカでは良く歌われていたようですし、いまだに無邪気かつ無自覚に子供に教えてしまってる人もいるみたいです。

娘がYellow Chineseと呼ばれたりしてたということなら、これは厳重に注意しなければいけません。Yellow Japaneseの誇りにかけて。いや違うか。

妻と善後策を協議し、これはやっぱりデイケアの先生に聞くしかなかろう、ということになりました。しかし何かの間違いということもあるので、慎重に対応しなければ。

ということで、妻がそれとなく話をしたところ、デイケアのディレクターが強い関心をもったらしく、調べてくれることになりました。

そして数日後、娘の担任の先生から意外な真相が。

娘のクラスで習う、色の種類を憶えるための歌がその原因だった模様。

もちろん、Yellow Chineseなんて言葉は出てきません。

正確な歌詞は

Shining Yellow=シャイニング イエロー
でした。

想像ですが、おそらく娘のボキャブラリーにShinig というのが無かったためか、娘は既に知っているChineseで代用したのでしょう。順番が入れ替わった理由は分かりませんが、何となく理屈は通ります。

ああ良かった。変な心配をして損した。そしてなにより、変に事を荒立てなくて良かった、とホッとする私達夫婦。

最初に娘の口からYellow Chineseという言葉を聞いた時にはぎょっとしましたが、分かってみれば大した話じゃありませんでした。親の方が神経質すぎたのでしょうかね。

私達夫婦はこれまでのアメリカ生活で特にひどい差別を受けた経験はありません。ですが、きっと心のどこかでそういうことが起こる日のことを恐れていて、今回の娘の発言が私達の深層心理を刺激したのでしょう。

とりあえず、今回のことはちょっとした笑い話ということで終わりました。いやーびっくりした。


後日、私が娘のお迎えに行った時に出会った先生にその話題を振りました。いやー聞いたでしょ?娘がYellow Chineseとか言うから仰天したよー。

するとその先生、娘のお気に入りのインド系の女性ですが、いつものようにちょと訛った英語でこう答えてくれました。

「そうそう!私も驚いちゃった!だって歌でチャイニン イエローって言ってるのに、チャイニーズイエローになっちゃうんだからね!チャイニンとチャイニーズがまざっちゃったのね!」

先生の口からでるShiningという単語は、私の耳にもしっかりとChinigと聞こえるものでした。

先生、それ俺でも聞き間違えますよ。


ではまた。
【2011/08/11 18:32】 | アメリカで育ててみる | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
シスターデビュー
大変ご無沙汰しております。

まずは、先月の震災について何か書こうかと思ったのですが、全然関係無い話を書くことにします。




こないだ娘が3歳になりました。

3歳にもなると、子供の遊び方も随分と進化し、親の方でも随分と頭を使う必要が出てきます。

娘の最近のブームはごっこ遊び。

これまでもごっこ遊びらしきものはしていましたが、

「はいどーぞ」

「あむあむあむあー美味しい」

てなくらいで、別にテレビを観ながらでも、妻と会話してる最中でも対応することが出来てました。

さすがこの世に生を受けて1000日以上経つと、そうもいきません。

娘は昔から「アンパンマン」が好きで良く観ていたのですが、最近どうやらストーリーがきちんと理解できるようになってきたようで、シーンの再現を求めてきます。

特にお気に入りは「メロンパンナちゃん」と「ロールパンナちゃん」の姉妹人情噺。

知らない方に一応説明しておきますと、メロンパンナというのは「アンパンマン」に登場するパン人間の中ではおそらくヒロイン役にあたる登場人物で、世が世なら、いやデザインがもう少しましなら萌え萌え言われてるような妹キャラの代表格です。

一方、ロールパンナというのは、メロンパンナよりも後にジャムおじさんによって作られたものの、設定上はメロンパンナのお姉さんにあたるキャラクターで、ロールパンナという名前のわりに実際のロールパンと似ても似つかない容貌です。

このロールパンナはとある理由により多重人格障害じみた特性をもっており、バイキンマンに唆されたりすると「ウーララー!」と叫びながらアンパンマンを攻撃しはじめるため、普段は人里はなれた荒野のようなところに住んでおり、メロンパンナと一緒に住むことはできません。

(って今更書いてて思いましたが、アンパンマンのストーリーって結構凄いですね。)

だもんで、メロンパンナは姉恋しさで時折「お姉ちゃんに会いたいよう」と言ったりしてトラブルに巻き込まれては最終的にアンパンが無駄に消費されることになるわけですが、どうもこの姉妹関係が娘のハートに直撃したらしく。

具体的には、最近娘は妻のことをマミィとは呼ばず、「ロールパンナお姉ちゃん」と呼び続けております。

当然、自分はメロンパンナのつもりです。

何かと言うと「ロールパンナお姉ちゃーん」と叫びながら妻に抱きついたり、ちょっと面白いものを見つけると「これ、ロールパンナお姉ちゃんに見せてくる!」と言ったりしてます。

ちょっと妻がそばにいないと、「ロールパンナお姉ちゃんに会いたいよう」とメソメソ泣いてみたり。

これが結構面倒くさい。

というのも、私が娘に「じゃーこれ食べて良いか、マミィに聞いてみるか!」とか言おうもんなら、

「マミィじゃなくて、ロールパンナお姉ちゃん!」

と主張して譲りません。

ひどいときは泣いて抗議します。本当にポロポロと大粒の涙を流して怒ったりするから凄い。

私も最初は母親に対して姉妹ごっこをする娘に違和感がぬぐえませんでしたが、そのうち飽きるだろうと思い放置することにしました。

すると先日のこと。

母親と遊ぶ娘を置いて、ちょっとトイレに行っていた私。

父親がしばらくいないことに気づいた娘が、母親に尋ねます。

「あれ?ダディお姉ちゃんは?」

もう何がなにやら。
【2011/04/12 01:14】 | アメリカで育ててみる | トラックバック(0) | コメント(4) | page top↑
ミスターティックルと冬の海賊
ご無沙汰しております。

色々と立て込んでおりまして、更新をさぼっている内に年も越してしまいました。

本年もどうぞよろしくお願い致します。

さてさて、色々と書くこともあるのですが、どれから書いたら良いものか見当もつきませんので、とりあえず思いつくまま書いてみましょう。

お蔭様で娘は2歳9ヶ月となり、本当によく喋るようになりました。

どうしても平日の日中はデイケアで過ごすため、自然と英語が強くなってしまってます。

面白いもので、迎えに行ってからしばらくの間、娘は英語で喋っているのですが、私達と過ごしているうちに日本語がどんどん混ざってきます。

あれってどこで判断しているんでしょうかね。「あれ?こいつら英語苦手?仕方ないなぁ」とか思われてるんだったら悲しいことですが。

そんな娘ですが、多分同じ年代の子供をもつ親御さんなら良く分かるんでしょうが、不規則発言が増えてきました。

こちらがちょっとヒヤヒヤすることもしばしば。

こないだ、ショッピングモールで娘と遊んでいたら、娘がある方向を指差して叫びました。

「パイレーツ!パイレーツ!」

なんじゃそりゃ、と思ってそちらの方に視線を向けると、そこにはこんな感じの男性が。

参考画像
<参考画像>

いや違うんだ娘。アメリカは結構眼帯を普通にしてる人が多くてね、あの人は別に七つの海を股にかけてるわけじゃ・・・とか、そういう説明をしても仕方がない。

きっと娘の中では、眼帯=海賊という意味づけが出来てるんでしょうね。

さらにこないだは、町である年配の女性を見つけて、突然話しかけました。

「What are you doing here, Baby Jaguar?」(ベイビージャガーちゃん、ここで何してるの?)

ちなみにベイビージャガーってのは、娘が好きなテレビ番組に出てくるキャラクター。そのなの通り、子豹です。

ベイビージャガー


娘が見たのは、こんなコートを着た女性。

ジャガーの成れの果て
<参考画像>

いや違うんだ娘。あの女性は別にベイビージャガーちゃんじゃないんだ。どっちかって言うとその成れの果てを着てるわけで、いや違うな。まぁとにかくその指差し確認はやめてくれ。

娘がその小さい頭でどういう世界観を形成しつつあるのかはよく分かりませんが、娘の世界には現実とともに、海賊やベイビージャガー(のようなもの)が存在しているということだけは分かりました。面白いものです。

フィクションと現実が混ざり合った娘の世界観にとまどうことも多いのですが、一方でそれにつけこむと、親が楽になるということにも気がつきました。

その代表的な存在が、ミスターティックル。最近の娘の最大の敵。

ええ。親が勝手にでっちあげました。

ティックルってのは"tickle"と書きますが、「くすぐる」という意味の動詞です。

娘がくすぐられるたびに、「That's tickle!」と悲鳴をあげるので、そこから取ってみました。

ある時、むずかる娘に、冗談混じりで

「そんなに言うことを聞かないと、ミスターティックルが来るぞ!」

と言ってみたところ、娘の中でどんなイメージが形成されたのか、その効果はてきめん。

特に最初の頃は、ミスターティックルの名前を出すたびに、周囲を見回してはその「ミスターティックル」とやらが近くに来てないかビクビクしっぱなし。

親から「あー良かった!ミスターティックルはどっか行っちゃったみたいだ!」と言って貰うまで安心せず、酷いときには夜中でも家から出て、通りの向こう側に潜んでないか確認させられたほど。

どんだけ怖いんだティックルさん。

ちなみに、娘の中で彼がどんな姿をとっているかは分かりませんが、私の中では勝手にこんなイメージを描いています。

ミスターティックル(イメージ)

超怖そう。いや、ネタ元の画像ががエクソシストだから、怖いのも当然ですが。

娘には悪いと思いつつも、とりあえず効果がある間は、これからもミスターティックルにちょくちょく訪問して貰おうと思っています。

…ちなみに、このエントリーを書きながら、ちょっとミスターティックルで検索してみたところ、なんと本当に「ミスターティックル」というキャラクターが存在していることが判明。

ミスターティックル

しまった全然怖くない。

ではまた。
【2011/01/06 15:43】 | アメリカで育ててみる | トラックバック(0) | コメント(8) | page top↑
メガヨナキ
2歳と6ヶ月を過ぎた娘ですが、ここ最近1週間に1度くらいのペースで凄まじい夜泣きをするようになりました。

もうそれは夜泣きなんて言う言葉が似合わないほどパワフル。名づけてメガヨナキ。

一番最初にそいつがやってきた時のことは忘れられません。

その晩、娘を寝かしつけ、私たち夫婦はTVを観ながら静かな夜を過ごしていました。

午前12時ごろ、突然寝室から「ギャーーー!」という叫び声。ドスンドスンと言う音まで聞こえてきます。

慌てて寝室に見に行けば、そこにはベッドが揺れるほどの勢いで跳ね回り、泣き叫ぶ娘の姿が。

ベビーベッドの柵から足を突き出したかと思うと、今度は軽く柵をたわませるほどの力で蹴り飛ばし、その反動は娘の体を浮かせるほど。

なんじゃこりゃ!

親がどんなに優しく声をかけようが、ポンポンと叩いてあやそうとしても無駄。全身の細胞が逆鱗と化したのかのように、外界からの干渉全てに猛烈な駄目出しで回答する。

時折、「ふぅ・・・」みたいな吐息とともに、5秒近く静かになるので、ああ、やっと落ち着いたかと思ったとたんに再び「ギャーーーー!」

いやもう、怖い怖い。

横になった状態で柵を蹴り続ける娘は、その勢いがあまりにも強いせいか頭を軸にしてグルグルと狭いベビーベッドの中を回転。その様子はMatrixのトリニティかのよう。狂乱状態のハムスターみたい。いや、そんなの見たことないけど。

これはまた中耳炎が始まったのかと心配したのですが、昼間に耳を触ったり、「耳、痛い」と自己申告をしていた覚えもなし。

どうやら単純に夜泣きってことらしい。でもこの勢いは尋常じゃない。

メガヨナキの権化となった娘に戦々恐々としながらも、慌ててネットで解決策を検索すると、どうやら2歳くらいでも夜泣きはあるようで、こういう時は一回きちんと目を覚まさせるのが良いらしい。

いやでもこんな興奮状態の娘を起こしたら、もうその夜、親は睡眠をあきらめなきゃいけないんじゃないかと恐怖がつのる。

とはいえ、このまま放置するわけにもいかない。

しかも娘は、柵ををガツンガツンと蹴りまくりながら、「ギャー!」だけではなく、「ノォォォーー!マミィィイィィ!ノォォォォダディィィィーーーー!」と言った何だか人聞きの悪い寝言、というが「寝絶叫」までする。

このままだと、虐待を疑われて通報とかされそうだ。

いやそれよりなにより、こんなにパニクってる娘に何らかの助けの手をさしのべなければ。

えいやってんで、覚悟を決め、昔ローカルTVで流れていたホテルのCMを思いだしながら、バインバイン跳ね回る娘を抱きかかえて明るいリビングへ娘を連行。

ところが、そこに誤算が。

私たちの住むアパートは、アメリカの基準からすると狭いものの、天井だけは偉いこと高い。一番高いところはざっと4m以上。

そこに声帯が爆発してんじゃないかって娘を連れて行くのは、今考えれば自殺行為でした。

ギャー!と泣く娘の声は、我が家の高い天井に反響して、「ギャーーーーーーーー!」の後に(ウワアアアアアン!)という耳鳴りを両親の鼓膜に残します。

「さー!ケメ(←娘の名前)!!ちょっと起きよう!一回、落ち着いて話し合おう!」

そんな悲鳴にも近い親の声も、音響兵器と化した娘の耳にはあまり届いてない様子。そりゃそうだ。私も自分で叫んでる声が遠くに聞こえるくらい。


ギャーーーーーーー!(ウワンウワン)

ノゥマミィィィィィー!(インインイン)

ギャーーーーーーー!(ウワンウワン)

ノゥダアディィィィィー!(インインイン)

あっと言う間に、私も妻もなにやら耳に綿が詰まったみたいな状態になり、三半規管までやられたような気がして足元がグラグラしてきた。

跳ね回る娘を抱えつつ、慌てて床に座り込む大人2名。

やっぱりこれは中耳炎かも知れない、と思い痛み止め用の薬を準備したりするものの、実際に飲ませることなど夢のまた夢。

これはもうどうして良いか分からない。

いつの間にか、妻の目の下には何故かクマが出来てきて、顔色まで悪くなってきました。てか、視線が合ってないぞ妻。

仕方がない、最後の手段と思い、匍匐前進しながら、私は自分のカバンのもとにたどり着き、iPodを取り出すと、中に入ってる""Dora the Explorer"という子供向けTV番組を再生。娘に近づけます。

娘の絶叫越しに、か細く聞こえるテーマソング。画面の中でDoraが踊り始めました。

「・・・・・・ウフフ」

残響が満たされた我が家のリビングに、さっきまでとは全く異なった娘の声が。

目尻に溜まった涙を拭きもせず、ニヤニヤしながら画面を注視する娘。耳鳴りで頭がグラグラしてる親はその様子を呆然として見ています。

あっと言う間に目を覚ました娘は「ドーラ!ブーツ!」などと登場人物の名前を叫ぶと、不意に自分の足で立ち上がるとテーブルに近づき、さっきまでいくら勧めても飲もうとしなかった水と薬をキュキュッと飲み干すと、iPodを私の手から奪って、鼻歌交じりに番組を楽しみ始めました。

その後、小一時間もすると娘はウトウトし始め、ベビーベッドに運ばれるのにも抵抗せず、おとなしく夢の世界に帰って行きました。

残されたのは、一体今のが何だったのか理解できずに憔悴した私たち。

子育てってのは本当に何が起こるか油断ができません。

ではまた。
【2010/10/12 11:27】 | アメリカで育ててみる | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
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