2週間ほど前の話。
その日は妻が車を運転する日でした。 娘をデイケアからピックアップし、そのまま私のオフィスまで迎えに来た妻の車に乗り込みます。 「おつかれさまでした」 「おつかれさまでした」 いつもだったら、私がシートベルトを締める間もなく、車を発進させる妻ですが、その日は違いました。 「ちょっと、電話かけても良い?なんかCから変なテキストが来てるんだよね」 Cというのは、妻の前の部署の同僚。最初は色々とぶつかったようですが、今では結構仲が良いみたいです。 ・・・とここでふと思ったんですが、妻のこれまでの仕事仲間の顔を脳裏に浮かべてみると、共通する傾向がありました。 それは、最初はすごく衝突して、さんざんっぱら喧嘩した相手ほど、その後仲が良くなるということ。 言うなれば川原で殴りあいをした番長同士がダブルノックダウン、 「へへへ。お前ぇもやるじゃねえか」 「そういうお前もな」 てなプロセスを踏みがちみたいです。面倒くせえ。 なので、もし妻と将来仕事をする方がいたら、前もってアドバイスしておきますが、最初はなるべくガチンコで喧嘩をした方が良いと思います。私は遠慮しますが。 話がそれました。 「で、Cがなんだって?」と私が聞きます。 「自分の携帯が壊れたみたいだから、すぐにこの番号にかけてくれって」 「なんか急ぎみたいだから、ちょっとかけてみる」 携帯を耳にあて、しばし黙り込む妻。携帯越しに小さくモニョモニョ言ってる声が聞こえはじめます。 「・・・え?え?なにこれ?」 日本語で呟くと、すぐに妻は電話を切りました。どうしたの。 「なんかインド人みたいな声の録音音声が聞こえてきた。ヤバそうだから、慌てて切っちゃった」 「なんて言ってたの?」 「え。驚いたから全然聞いてないよ。ひょっとしたら、Cの携帯ってハッキングとかされちゃったのかな?そんなことってあるの?」 「ちょっと聞かせてみて」 私は妻から携帯を受け取ると、耳に神経を集中させて、リダイアルをプチ。 ペペポペペパパパピ。 飛び込んできたのは、冗談みたいに訛りの強い、インド人の陽気な声。(以下は大意) 「ハーイ!電話アリガトー!アナタの素敵なお友達がこの電話番号をアナタに渡した理由は、お友達がアナタとの友情をインドにアウトソースしたからデス!」 「今後、ワタシが彼または彼女の、アナタとの友情に関わる義務や要求の代行を行いマス!」 「ワターシの名前は、パーカッシュ・ブン・パーラン・チュン・パララ・チリリ・パララ・チンパー・パンカーラと言いマスガ、私のことはBFFと読んで下サイネ!そう、ベスト・フレンド・フォーエヴァー!ってわけデス!久しぶりー!元気だったデスカ?」」 「ドウカびっくりしないで下サイ、お友達があなたとの友情をインドにアウトソースしただけデスからネー!」 「言っときますが、アナタの友人は別にアナタが嫌いになったわけでも、アナタからの電話にうんざりしたわけではないのデス!ただ、忙しいだけナンだと思うヨ!」 「だから、今後はお友達には電話しないでクダサイねー!」 「だって、これからはワタシがアナタにとっての公式な代理友人ナンデスヨ。ヨロシクネ!」 「話せてよかったデス!また電話してくれるコトを楽しみにしていマース!」 ここで気づいた。 今日はエイプリル・フール。 ではまた。 |
おもしろ!
笑いました。
お友達、ずいぶん手が込んだネタ仕込みますね!フラット化じゃないですけど、ほんとにネタになるくらいアウトソースが増えてるんでしょうね。わたしも米国在住ですが、今のところ銀行にかけたらアメリカ人が対応してます。(ローカル銀行ですが) Re: おもしろ!
>Rikakongさん
コメント有難うございまいた。少し調べてみたところ、なんかこういう「ドッキリ電話」のサービスというのは複数あるみたいですね。きっとうちのように、ひっかかった人たちがエイプリル・フールには沢山いたことと思います。 アウトソース、私はPCのサポートと、あとセールスなんかは明らかにインドっぽいところから何回か電話をうけたことがあります。きっとそのうち出会いがあると思いますので、どうぞお楽しみに(笑)。 かけてみました
久しぶりにコメントしてみます。
いやー番号ネットで調べてかけてしまいましたよ。おもしろいですねぇ。 来年誰かに使おうかな。。 Re: かけてみました
ご無沙汰してます。大学院のディベート、お疲れ様でした。
電話かけてみたんですね(笑) きちんとディクテーションしてないんで、内容をどれくらい性格に翻訳できてるか怪しいのですが、楽しんでいただけたんなら幸いです。 来年、覚えていたら誰かに使ってみてください。 |
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