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ジェフリー・ディーヴァーのサイン会&朗読会で見聞きしたこと。(本編)
前回のふざけたエントリから続きます。

こっちが本編。

まず、最初に注意しておきますが、今回のサイン会で得た情報は、私の限定的な英語能力で把握できた範囲で書いています。

よって、聞き間違い、聞きそこない、聞き逃し、はたきこみ、うっちゃりなどもあるかもしれません。我ながら怪しい理解なものは排除していますが、それでも夾雑物というか、ノイズ的な何かが入ってしまうかもしれないので、その点はご了承ください。

なので、ディーヴァー氏の発言として括弧書きしているものも、一言一句そのまま再現してるわけじゃないってことです。間違いなどあった場合は全て私の責任です。

あとそうだ。長くてすみません。

jd2009





三度目に見る生のディーヴァー。流石に最初の頃のような興奮はありませんが、やっぱりちょっと緊張します。なんでよ。

イベントは演台に立った、ディーヴァー自身の口から語られる著者紹介から始まりました。ただの自己紹介ではなく、「ジェフリー・ディーヴァーは・・・」という形で語ってるところがちょっと面白い。

作家になる前は、ジャーナリスト、弁護士、フォークシンガーなんて仕事をやっていたことや、代表作としてはリンカーン・ライムやキャサリン・ダンスシリーズを書いていることと言った、ここに来ている人たちならば知ってて当然の基礎知識から話していきます。

ここで面白かったのは、今回の新刊でもあるキャスリン・ダンスシリーズを紹介するときに、現在アメリカで放送している、ティム・ロス主演のテレビドラマシリーズ"Lie to Me"について言及したこと。

lie_to_me


「キャサリン・ダンスはキネシクスという技術を使って犯罪を調査していきます。このキネシクスというのは、テレビドラマの"Lie to Me"なんかでご存知の方もいるかもしれません。・・・私に言わせればこのドラマの副題は"Steal from Me"だと思いますが(笑)」

ご存じない方に説明すると、"Lie to Me"というドラマは、キネシクスを操る心理学者が、尋問により嘘を暴きながら事件を解決するという、キャサリン・ダンスの設定そのまままのドラマで、最近シーズン2の放送が決まったテレビ番組です。

私はこのドラマの設定を知ったときに、てっきりなんらかの形でディーヴァーが関わってるのかと思ったんですが・・・違った模様(笑)

そして新刊、"Roadside Crosses"の説明に移ります。

内容を箇条書きにしてみました。括弧内は私による追記。

・"Roadside Crosses"、"Blue Nowhere"(邦題:青い虚空)、"The Broken Windew"(ライムシリーズ第8作。未訳)につながる三部作の最後となっている。とはいっても、登場人物が共通しているわけではなく、テーマが共通と言う意味。

・そのテーマとは、テクノロジーの発達によって、バーチャルワールド(意訳。原語はSynthetic World)とリアルワールドの境界があいまいになりつつある現代を描写しているということ。

・この作品では、ブログやSNS、ネットにおけるいじめなどが主な題材となっている。

・作中、ヴァーチャルワールドとリアルワールドの融合を図る試みとして、作品中に登場するURLを実際にブログとして立ち上げていて、読者はネット上で実際のブログを読むことができる。

・実際に見なくても物語を理解する上で支障はないが。作品では触れられてないディティールや、ひょっとしたら不快な画像なども観る事ができるようになっている。

・ディーヴァーは作品を書く上で、ミッキースピレインの言う、"“Nobody reads a mystery to get to the middle. They read it to get to the end. If it's a letdown, they won't buy anymore"(←上手く訳せません。要するに最後までページターナーであるべし、ってことか)をモットーとしている。

・この作品も、彼の他の作品と同様の構造をもっており、事件は比較的短期間で起こる。この作品でも物語は3・4日間の出来事を描いており、結末はサプライズエンディング。に次ぐサプライズエンディング、に次ぐサプライズエンディングのまたサプライズエンディング、に更にサプライズエンディング(笑)・・・彼は本当にこういうスタイルが好きなんだね。(←と、本人が言ってました)

・彼は既に次の作品、リンカーン・ライムの新作を書いており、"×× and Wire"(←ごめんなさい。自分の書いたメモが解読不能)というタイトルになる予定です。次の作品では、これらトリロジー("Blue Nowhere"、"The Broken Window"、"Roadside Crosses")のようなハイテクを題材にするのではなく、よりローテクな話になる。

・なので、来年出る予定のリンカーン・ライムの新作を読むと、読者はきっと電球を取り替えることが出来なくなる。あと部屋のスイッチも怖くて触れなくなるし、シャワーを浴びるのも躊躇するようになるし、プールにも泳げなくなるかもしれないし・・・(以下観客が笑い出すまで続く)、と言うような話になる。

という感じでディーヴァー自身による著者紹介&今後の動向のお知らせ、が終了。

まだどのインタビューにも出てないライムシリーズの新刊情報まで聞けるとは思いませんでした。そして自分の字が解読不能になるほど汚いとも思いませんでした。>自戒

その後、お楽しみの作者による朗読会に移ります。

と、ディーヴァーは懐から折りたたんだメモを取り出すと、今回、作品の朗読はしないと宣言。

「今日のサイン会のために本を買ってもらってるかもしれないけど、ここで僕が朗読したらもう一回お金を貰わないといけないからね」なんて冗談を飛ばします。

代わりに読むといったのが、なんと彼の日記。どうやら長年日記を書き続けているので、その中から抜粋して読むことしたそうです。

と言って、ディーヴァーは自身の日記の抜粋(と称するもの)を読み始めました。

"○月○日、犬に餌、自分も食事 (原文は"Feed dog, feed self"上手く訳せません)で始まるこの日記は、比較的最近のディーヴァーの一日の描写から始まりますが、突然過去の日記になったと思うと、また最近のものに戻ったり、という何というか錯時法的な感じで語られました。

これが面白かった。

具的的には、こんな感じのエピソード。

・肝となる章を書きあぐねる内に、トイレの修理や犬の餌の買出しなぞを始めてしまい、結局執筆が進まなかった日のこと。

・生まれて初めてのサイン会で訪れたアルバニーでは、サイン会に2人しか来ず、おまけに一人はディーヴァーを名前の良く似た別の人物と勘違いしていたこと。

・駆け出しのころ参加した作家会議で、隣に座っていた某超大物女流作家が発言した「アウトラインなんか書いたことないわ!あんなの何の役にも立たないもの!」という言葉に苛立つものの、の後「で、ディーヴァーさんはアウトラインを書きますか?」と言われて窮地に陥ったこと

(知ってる人は知ってるでしょうが、ディーヴァーは1冊のアウトラインを書くだけで8ヶ月費やすことで知られています。)

・外国のファンから熱烈な応援メールを貰ったと思い、読み進めてみたらスパムだったこと。

(説明が難しいのですが、アメリカでよく来るスパムメールのパロディみたいな文面でした。「アフリカの小国で革命が起こったのだが、隠し資産をあなたの口座で一時的に預かってくれ」みたいなやつ。)

・作品を執筆中、つい我慢できずにジョン・ル・カレの新作を読んでしまったために、自分の作品が途中から無茶苦茶ル・カレ調になってしまったことに気づき、泣く泣く該当部分を書き直したこと。

・イタリアで受けたインタビューで、記者が引用した批評家の発言にカチンと来たので、「批評家なんて、自分が出来ないことをやってる人間のことを、偉そうにああだこうだ言うだけの連中だ」と言ったら、その記者も大変有名な批評家だったので、後で面倒なことになったこと。

・例の書きあぐねていた章に取り掛かろうとしたら、PCのファイルが開かず困惑。慌ててサポートに電話したら運よく繋がったものの、そこでは解決できず、インドのサポートセンターに飛ばされたこと。そしてそこは明らかにインドのはずなのに、オペレーターはレッドソックスのファンだと言い張ったこと。

他にも色々あったのですが省略。

私の文章ではきっとその面白さの10%も通じてないことに絶望。

とにかく、30分ほどの時間を使ってのこの日記朗読会、ディーヴァーの作品から得られるイメージとは随分違う、お茶目な一面が良く分かる、ファンにとっては大変興味深い演目(?)でした。

その後はQ&Aに。

早速手を挙げるものの、私の前に座ってる男性も手を挙げたために指されず。二列目に座った罰が当たったか。

こんな質疑応答がありました。これまた抜粋。

・作家と出版社の関係について。

→ディーバーは自らを職人と思っている。作家と出版社というのは、より良い商品を作り上げるためのパートナーであるべきだと思う。色々仕事をやってみたけど、自分は本当に、心の底から本を書くのが好きで良かった、と思ってる。

・リサーチはどうやってるか、どれくらい時間をかけるか。
→リサーチに掛ける時間は膨大だが、実際に本に使うのは10%ほど。

・ライムとアメリアの今後の関係
→この二人の関係のことを、ディーヴァーはソープオペラ的パートと呼んでいるが、サスペンスを盛り上げる重要な要素とも考えている。最新作でもこの二人の関係は大きな鍵になると思う。

・ライムの治療の可能性
→これは非常に難しい問題だが、正直言ってディーヴァーが作家の都合で決めるというよりも、現実の医療技術の発展にともないライムが決めることになるだろう。つまりリスクとリターンのバランスを、ライムがどう判断していくかということだ。これを踏まえて常に最新動向をチェックしている。

・ライムのようなキャラクターはどうやって思いついたか。
→シャーロック・ホームズの兄、マイクロフトのようなキャラクターを描きたいと思ったのがきっかけの一つ。調査に奔走し、変装したりもする活動的なシャーロックと違って、マイクロフトは完全な安楽椅子探偵。その部分でライムはマイクロフトの影響を非常に受けている。

・タイトルはいつ、どうやってつけるか。

これ。この質問は私がしました。とはいえ、私が考えたものではありません。

前回に引き続き、なんか質問しなきゃと思っていたのですが、今回はどうしても思いつかなかったので、某SNSの「ジェフリー・ディーヴァー」コミュニティで質問を募集したところ、ゆーみんさんからアイデアを頂きました。本当に有難うございました>ゆーみんさん

私は、まずディーヴァーに、簡単な自己紹介をした後で、ディーバーの作品は日本でも大変人気があること、例えば日本の某SNSではディーヴァーのコミュニティもあり、メンバーが500人以上居て、今回の質問はそのメンバーからアイデアを貰ったことなどを話しました。

まず、ディーヴァーはそれに答える形で、日本でも沢山の読者がいて、最近ではベストテンにランキングされることもあったと話してくれました。
このミスや文春のミステリベストなんかも知ってるんですね。そしてここで驚愕のニュースが。

なんと、ジェフリー・ディーヴァーが10月に来日するそうです!!!

これまでブックツアーとして世界各国を回っていたディーヴァー。かつて日本を通り越して台湾に行ったりしたことが一部のファン(例:cyberbabeさん(笑))を落胆させてきましたが、ここ数年の日本での人気上昇が来日のきっかけになったことは疑いがないでしょう。

詳細は不明ですが、是非、日本のファンの方にもディーヴァー本人と対面して欲しいと思います。

それはさておき、肝心の質問のほうですが、ディーヴァーは私の質問に対してこんな感じのエピソードも絡めて答えてくれました。

・タイトルの決まり方はそれぞれの作品によって違う。ただ、タイトルをつける時に気をつけているのは、2重の意味を持つようにしているということ。読んでもらったら分かると思うけど、(昨年出た)Bodies left behindもそうだし、(新刊の)Roadside crossesもそう。

・タイトルをいつ決めるかについてだけど、例えば、The Broken Windowは当初、The Black and White Rainbowというタイトルにするつもりだった。これは、人間が、デーマイニング会社などによって、単なるデータとして管理される未来を暗示したかったんだけど、編集者からストップがかかった。

・というのは、どうもミステリらしくないんじゃないかと、そしてなにより、既に同じタイトルをもつ絵本が出ていたので、紛らわしいから替える事にした。その絵本の内容?、突然色が無くなった世界で奮闘するねずみの話なんだけど(笑)

・もちろん書きながらタイトルが決まることもある。Roadside crossesはまさにそのパターン。書いているときにずーっとRoadsideのイメージが頭の中から離れなくて、書いてる最中にこのタイトルで行こうと決めた。そんな感じかな。

そんな感じで質問タイムも終了。

椅子を片付けてからサイン会になりました。

ここまで小一時間、店内をキィー!キィー!と叫ぶ娘を小脇に抱えて右往左往していた妻と合流。げっそりしてる妻。本当申し訳ない。

列にならぶこと10分ほど、購入したばかりの"Roadside Crosses"とサインしてもらい損なってた"The Bodies Left Behind"を持って、ディーヴァーに挨拶。

妻に抱かれた娘に目をむけ、この可愛い子の名前は?と聞くディーヴァー。

「ケメです。日本語ではフラワーって意味です」(ケメはあくまで仮名なので。ちなみに"ハナ"ではないです。)、と妻。

「この子はディーヴァーさんに去年も会ってるんですよ。シアトルで」と言ったところ、はっとした感じでディーヴァーは身体を仰け反らせました。

「え!あ!覚えてるよ!あんなに小さかった赤ちゃんかい?」

おおお。覚えててくれました!赤ん坊なんてどうしたって大きくなるので、ひょっとしたら覚えて無かったかもしれないけど、そう言ってもらえるのは嬉しいものです。

「やあケメ、大きくなったね。君は賢そうな顔をしてるから、来年はきっと大学生だね」

と、話しかけれ、泣きそうになるケメ。

「うん分かってる。僕は赤ん坊を怖がらせるらしいんだ。」

・・・なんか分かる気がしますって納得しちゃ駄目だな。慌てて付け足す。

「いやいや。この子がシャイなんです」

とかそんな会話。

その他、日本での彼の作品の翻訳事情の話。例えば、ディーヴァーが日本人の友人に「これ僕の本」と言って翻訳版を渡したところ、後日「結末は?」と聞かれ、「読めば分かるのに」と思ったら、日本語版は上・下巻に分かれているということを失念していて、渡していていたのは上巻だけだったことに気づいたとか、そんなエピソードを話してくれました。

いつも通り、サインには「to Twitetta, Domo arigato!」と入れてくれましたが、今回は私の名前の他に、

"to your family (Including beautiful little flower!)"と娘のことも書いてくれました。

「来年もサインしに来るから、是非また家族で来てよ」

そんな嬉しい言葉を貰い、会場を後にしました。

いやぁ、行ってよかった。最初に書きましたが、これまでで一番面白いサイン会でした。

ということで、来年も何とかして行きたいと思っております。

くどいようですが、作品や写真から受ける印象とは若干異なり(笑)、本当に感じの良い人なので、日本にお住まいのディーヴァーファンの方は、是非10月の来日の機会を逃さず、会いに行って欲しいと思います。

ではまた。
【2009/06/09 01:01】 | 読書関連 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
<<ちょっと出かけます。またかよ。 | ホーム | ジェフリー・ディーヴァーのサイン会&朗読会に参加したこと。(前段)>>
コメント
良かったですね
凄い楽しそうですね。

私も好きな作家いるけどサイン会とか行ったことないですからね。

子連れで大人のイベントに行くのは本当に大変ですよね。奥様優しいv-10
【2009/06/18 20:29】 URL | ミコタマのパパ #-[ 編集] | page top↑
>ミコタマのパパさん

返信が遅くなってすみません。

>私も好きな作家いるけどサイン会とか行ったことないですからね。

私もJDのサイン会に行くまではどの作家のサイン会も参加したことがありませんでした。

(あ、妻がシカゴGSBにいるときに、ジャック・ウェルチは見に行きましたが、あれはまぁ好きな作家ってわけじゃないか)

私は基本的に好きな作家は遠くから眺めてるのが一番だと思ってるんですが、つい出来心で行ったのが運のつき。JDは私にとって特別な作家になりました。

>子連れで大人のイベントに行くのは本当に大変ですよね。

そうですね。こればっかりは子供がいて初めて分かることですね。妻に感謝です。
【2009/06/22 12:02】 URL | twitetta #mQop/nM.[ 編集] | page top↑
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