TWITETTA!

スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
【--/--/-- --:--】 | スポンサー広告 | page top↑
靴を脱げ。話はそれからだ。
アメリカに来たばかりの頃、こんなエントリを書いた。

IKEAで配達を頼んだ荷物がてんやわんやの末、やっと到着した日の話。

<以下抜粋>

南米系の男性2人ととも荷物をエレベーターに運び。よろよろと家の前に。

土足で運びこもうとする彼らに、一言。

私「靴脱いで貰える?」

男「それは出来ない」

嘘。拒否された。おいおい。人ん家のルールに従えよ。

もう一回繰り返すが、訛りの強い英語で言い返される。よく分からんが、出来ない(can't)らしい。なんでだよ。靴履いたまま生まれてきたのか? ふざけんな! 私はキレた。

(中略)

実際、反駁する気力も度胸もすり減った私は、こう言った。

「・・・・・・オーケー。じゃぁ家に入らなくていいから、荷物は玄関に置いてってくれ」

はい。ワタクシ負けました。非常に残念です。


<抜粋終わり>

こちらで生活していると、ちょくちょくこんなシチュエーションに遭遇する。

ちなみに、ゲストが来た場合はこんなやりとりが発生することはない。大概、相手が日本もしくはアジアの文化に理解のある人だったり、その人自身が家に入るときは靴を脱いでくれる人だったりすることが多いので。

上記のエントリの場合は、結局彼らを家に入れないということで諦めたが、世の中には家の中に入ってもらわないとサービスを受けられないときがある。

ケーブルテレビの設置だったり、家の中の配線や水道の修理などがそれ。

前回のとき以来、幸いなことに「絶対脱がないもんね」という人は居なかったので、拙い英語で交渉する必要がなかったのだが、こないだとうとう同じシチュエーションに陥った。

我が家のエアコンはリビングに2つ温風が吹き出す口があるのだが、そのうち一つが動かなくなった。

今まではドライバーを使って、自分でカバーを取り外し、中のスイッチをぐりぐりやると再び動き始めていたのだが、今回はその対策が通用しない。

いや、一応、ノロノロと動き出すのだが、10分もすると沈黙。

またカバーをはずして再起動。すぐに沈黙。

カバーについてる4箇所のねじを外す/付け直すのにいい加減嫌気がさしたので、管理事務所に連絡してメンテナンスの人を寄越してもらうことにした。

来たのは中東系移民らしき兄ちゃん。ハーイサンキューフォーカミング。

ハウズイッゴーイン。グレート。そりゃグーね。

などと、どうでもいい挨拶をしながら兄ちゃんを招き入れる。

彼がノシノシと入ろうする直前、私は笑顔でお願いする。

「悪いんだけど、靴脱いでもらえるかな」

「それは出来ない」

おっときた。まるでデジャブ。Can'tですかそうですか。

んーどうしよう。まさか久々に断られるとは思ってなかったので事前に戦略を練ってなかった。

しかし渡米してもう早4年以上。枕で涙を濡らした俺じゃないもんね。いまだヘロヘロとは言え、英語だって少しは喋れるようになったもんね。

絶対諦めるものか。

緊張を悟られないように、笑顔をキープ。

するつもりがなんだか強張った笑顔になった私が尋ねる。.

「・・・ん?脱げない?脱げないって言った?」

「そう脱げない。だから靴で入るよ」

そのまま入ろうとする兄ちゃん。

「ちょ。まままま待って!待った!ステイヒア!・・・なんで脱げないの?」

先程、挨拶したときのフレンドリーな感じが、あっという間に消えうせた兄ちゃんが答える。

「それはね、うちのコーポレートポリシーなんだ。悪いけど」

でたよ。なんだそりゃ。

「コーポレートポリシー?なんだそれ。いやコーポレートポリシーが何かってのは知ってるけど。なんのための?」

食らいつく私。

「俺達はね、仕事中に靴を脱いじゃいけないことになってるんだ。従業員の安全を守るために。ちゃんと会社のポリシーとして書いてあるんだよ。靴を脱がないと入れないってことだったら、家に入れないな。ということは、修理が出来ないね」

おいおいちょっと待てよ。そんなポリシーあんのか。本当かそれ。

俺が外国人だと思って馬鹿にしてんのか。

これは後日談だが、ちょっと調べてみたら、電気会社や水道会社、引越し業者にも本当にそういうポリシー(というかルール)を従業員に課している会社は結構ある模様。

でもそのときはそんなこと知らない私。疑心暗鬼のままで再度お願い。

「そうは言ってもさ、靴脱いでよ。」「いや脱げないんだってば。靴を脱いだら会社にクビになるし」

なんだそれ。あんたはマグロか。泳ぎ続けないと溺れるのか。

さてさて。どうしたもんか。

「で?どうする?修理する?しない?」

そんな感じでこちらの様子を待つ兄ちゃん。

なんとかして靴を脱がさないと。

「いやいやいや、会社のポリシーもいいけどさ、お客の価値観というか生活のルールを重視するのも大事じゃない?」

そんなことを言おうとするが、どうせまたポリシーを持ち出すだろうし。

どうしたものか。

まぁ最悪、カーペットが多少汚れても、後で泣きながら掃除すれば良いか・・・という弱気の虫が顔を覗かせる。

と、そのとき。

視線の隅に、「んじゃんじゃんじゃ」という声とともに、元気にハイハイしている娘の姿が飛び込んでくる。

駄目だ。今はこの子がいるではないか。この子を守るのは誰だ?今は俺しかいないではないか。しっかりしろ。4年間で培った英語力を見せてやれ!

息をひとつ吸ってから、私は娘を指差しながら兄ちゃんに向かって言う。

「良い?ほら、うちには女の子がいるんだよ。1歳でね。ハイハイしてるの。カーペットとか始終ベロベロしてるわけ。貴方が靴を履いたままうちに入ったら、結果的に娘は貴方の靴の底をベロベロすることになるよね?それはワタシ望マナイアルヨ」

後半英語がメタメタになったが、今は気にしないでおこう。

それを聞いた兄ちゃん。ちょっと考えてる。

さあどうでるか。

「・・・オーケー。ちょっと待ってて。すぐ戻る」

兄ちゃんはそう言うと、玄関から外に向かっていった。どこ行くの?

数十秒後、帰ってきた兄ちゃんの手には、なにやらくしゃくしゃな青いビニール袋が2つ。

それか!その手があったか!

彼はその青い塊を広げると、履いている安全靴に被せ始めた。

日本ではあまり見かけない(と思う)が、それはShoe coverと呼ばれるもの。

装着するとこんな感じ。

Shoe cover


衛生上の理由から、土足で入って欲しくない施設には常備しているこのアイテム。そういえば娘のデイケアにもあった。

これを履いて貰えば、向こうは靴を脱がずに済むし、こちらもカーペットが汚れない。

15分後、無事エアコンの修理は完了し、兄ちゃんはShoe coverを「また来るかもしれないから」ということで置いて帰った。

その日から、我が家の玄関には将来の「私、靴脱げません」族の来襲に備えて、このShoe coverを保管している。

今回の件を振り返ってみると、私はどうにかして「靴を脱がすか」にばかり心が囚われていて、「更に履かせる」という発想はなかった。

なんたる盲点。

・・・てか、そんなもの持ってるんだったらさっさと出せよ!

と思ったが、私が聞いたのは「靴脱いでくれる?」であって、「カーペットを汚さないでくれる?」では無かったわけで。

正しい答えを得るには、正しい質問が必要という良い例かもしれない。

それよりなにより、きっと私が娘の話を持ち出さなかったら、彼は取りに行くのが面倒くさいという理由で、乗ってきた車にShoe coverを常備していることすら明かさなかったに違いない。

結論: 私が英語力で娘を救ったのではなく、娘の存在に私が救われたという話。

情けない。

ではまた。
【2009/04/21 14:02】 | 日記@シアトル | トラックバック(0) | コメント(4) | page top↑
<<アメリカ人と靴 | ホーム | ほんとどうでもいい。>>
コメント
私も先日。
こんにちは、Twitettaさん。

私も先日同じような状況に遭遇しました。私たちのところは、ケーブルTVの人のセッティングでした。「靴を脱いで」とお願いしたところ、セッティングの人は「プラスチックバッグはある?」と聞いてきました。プラスチックバッグを渡したところ、靴にかぶせ結わいていました。後日また別のサービススタッフが来たときも、彼らは自発的に「プラスチックバックは?」と聞いてきました。私が今度引っ越した辺りはアジア人ばかりなので、きっとスタッフもアジア人の習慣に慣れているのだと思います。

以前はプラスチックバッグに頭が行かず、私は前もって通路全体に新聞紙を広げておいたのですが、プラスチックバッグだと片付けもいらないため、本当にラクです。何でこんな簡単なことに今まで気づかなかったのだろう、とプラスチックバッグブーツをはくスタッフを見て思いました。
【2009/04/24 09:18】 URL | kbt #mQop/nM.[ 編集] | page top↑
お久しぶりにコメントさせていただきます
日本人は自分の宗教および生活習慣を自覚していない。

これは日本で生活している限り異文化異宗教と接触摩擦軋轢を避けて生活できるからなんですね。

特に他民族から白眼視される双璧が日本人とユダヤ人だというのが 本邦にも鳴り響いています。この二民族の頑固さと融通の利かなさは群を抜いているからなんですね。

(蛇足ですが別の意味で鼻摘み者は中国人と朝鮮人)
【2009/04/26 09:22】 URL | 維摩(YUIMA) #s6nkdhXk[ 編集] | page top↑
>kbtさん

コメントが遅くなってすみません。

本当に「靴の上に更に履かせる」というのは日本人からしたら盲点ですよね。

kbtさんのお宅に来た人は、自分から言い出してくれたんですね。いい人だ。

そういう気遣いがあると、高感度もアップするというものでしょう。

アジア人に慣れてるというのは、あるかもしれませんね。シカゴのときはアジア人がマイノリティだったのか、言い出すそぶりもありませんでした。

ちなみに、プラスチックバッグの替わりに、シャンプーハットを使うのも良いらしいですよ。まぁシューカバーだって数ドルもしませんが・・・。

ちなみに、彼らはルールで靴を脱げないらしいのですが、それに限らず、なんだかアメリカ人には靴を脱ぐということ自体をとても嫌がる人がいるみたいですね。次回はそんなことを書いてみたいと思います。
【2009/04/28 12:16】 URL | twitetta #mQop/nM.[ 編集] | page top↑
>維摩(YUIMA) さん

コメント有難うございます。

>日本人は自分の宗教および生活習慣を自覚していない

仰るとおりだと思います。翻って言えば、他国の宗教と生活習慣にも無頓着ですよね。軋轢が少ないから、というのももっともだと思います。

ユダヤ人と日本人が頑固さと融通の利かなさで世界的に有名、というのは寡聞にして初めて知りました。じゃあ日ユ同祖論者なんかは最強ですね。何が何だかわかりませんが。

ではでは。
【2009/04/28 12:31】 URL | twitetta #mQop/nM.[ 編集] | page top↑
コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
→http://twitetta.blog39.fc2.com/tb.php/558-8661fbfd
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| ホーム |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。