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イピカイエー!な夜
先週末、遅ればせながら、ダイハードの第四弾、"Live Free or Die Hard" (邦題 ダイハード4.0)を観て来ました。

ニューヨーク市警のベテラン刑事が、クリスマスの夜に最悪な場所に居合わせた為に、孤軍奮闘するはめになる、そんなコンセプトが受けたこのシリーズ...だったはずなんですが。

異変が起こったのは三作目。

ロケーションも最初はハイテクビル、「ダイハード2」では空港。陸→空と来たので、次は海を舞台の予定でした。

そして、タイトルも一作目は"Die Hard"、二作目は"Die Harder"、そうすると、当然三作目は比較級最上級"Die Hardest"とまとめる予定だったそうで。聞いた話ですが。

ところが、合気道と大阪弁を操るデカイアメリカ人に、海を舞台にテロリストと闘う映画(「沈黙の戦艦」)で先にやられちゃった為に当初のプランは頓挫。

結局、三作目では、クリスマスでも何でも無い日に、ニューヨーク中の交通機関を使ったオリエンテーリングをする映画になりました。タイトルも更なる続編を狙ったのか、”Die Hard with a Vengeance" (邦題 「ダイハード3」)

当初のコンセプトはどこへやら。

そして12年振りの新作。クリスマスがどうとか、舞台がどことか、比較最上級がどうとかいうことはどこかに吹っ飛び、タイトルも"Live Free or Die Hard"。なんですかこれは。誰に命令してんだってな題名です。

日本では「ダイハード4.0」って何そのWeb2.0みたいなタイトルだそうですが、意表のつき具合はアメリカの方が激しい気がします。

まぁブツブツ言っても大好きなシリーズなんで、そそくさと観に行った訳ですが。

上映開始からしばらく経つというのに、劇場の混み方は異常。

今まで観に行った映画で一番人が多かったかも知れません。金曜の夜だったというのもありますが、ほぼ満席。みんな大好きダイハード。

映画の内容の方は、すっかり海坊主になったブルース・ウィリスが、相変わらずの孤軍奮闘。サイバーテロに対してとうとう全米の(国民を含む)財産を守っちゃる、と言うスケールの大きさになりました。

ネタバレに気をつけるも何も、細かいところはさっぱり聞き取れてないので、「あーこいつらはこんな感じのことがしたいのねー。ところで、なんでみんな今笑ったの?」てな感じ。

毎度のことですが、台詞回しの面白さは今ひとつ把握出来ません。

個人的に、このシリーズの好きな点は、後半に大きなドンデン返しがあるところだったのですが、残念ながら今回は無し。ひたすら連続するアクションシーンを堪能するような出来になってます。

私はラスト3分くらいまで「ここで何か起こるか?」とドキドキしていたのですが、ちょっと肩すかしな印象が。

そのかわり、後半に行くに従ってのアクションのインフレーションは前作以上。最後の追跡シーンのあたりはほとんどギャグみたいでしたが、それを逆手にとったような演出もあり、観客は受けてました。

純粋な意味でのエンターテイメント映画としては、なかなか良く出来ていたのではないでしょうか。絶対死なないって分かってても、あれだけの迫力のあるシーンが多いと、2時間しっかり楽しめるものですね。

ちなみにシリーズにおける、私の好きな順番は、1>2>4>3となってますが、アメリカの映画データベースサイトIMDbで観客が付けてるレーティングでは、現在のところ、1>4>3>2のようです。(4はまだ上映されたばかりなので、今後もう少し下がるでしょうが)

意外と3て評価良いんですね。妻も3が一番好きだと言ってましたし。

あと、ダイハードと言えば、外せないのがイピカイエー。イピカイエーと言えばダイハード。ダイハードと言えばイピカイエーでございます。

ダイハードを知ってる方でも、意外とイピカイエーをご存じない方がいるかも知れないので、ここでちょっと御説明。

イピカイエーとは、ブルース・ウィリス演じるマクレーン刑事が、シリーズ全作を通じて、ここぞとばかりに言う台詞として、ダイハードシリーズ上、最も有名な台詞です。

ターミネーターの"I'll be back"みたいなもんですな。

日本で上映した時には字幕では「くそったれ」とか「ざまあみろ」みたいに訳されたりしてるみたいですが、吹き替えだとなんとそのまま「イピカイエー」と言ってたりもしてるようで。なんのことやらわかりませんね。

私もこの台詞自体は知ってましたが、なんでそんなに有名なのかは、長い間の謎でした。

そんな時、先日修士論文のクラスで、クラスメイトのひとりと、2時間程二人っきりで過ごす機会があり、話題に困って仕方がない状況に追い込まれたことがありました。

いや、互いの修士論文のテーマを批評し合うってのが、その日のテーマだったんですが、流石に2時間は持たなかったわけで。

そこで、折角なので、この長年の疑問を彼に聞いてみたところ、彼なりの解説をしてくれました。それが以下の内容。

イピカイエー(Yippee-ki-yey ←表記方法は色々らしい)というのは、元来ネイティブアメリカンの言葉で、なんというか景気付けの言葉だったそうです。西部劇で使われることが多く、「そらいけ!」とか「その通り!」みたいな文脈で使われてた模様。これに対応する正確な英語の単語は無いとのこと。

日本語で言えば、鹿児島弁の「チェスト」みたいなもんでしょうかね。

彼の意見では、ダイハードでこの台詞が面白いと思われたのは、「イピカイエー」という言葉のためだけではなく、そのあとに"Motherf*cker!"と続いたのがその秘密だろうとのこと。

確かに、作中は"Yippee-ki-yey, motherf*cker!"でワンセットの台詞になってます。

では、なぜそれが(アメリカ人にとって)印象深かったのかというと、"Yippee-ki-yey"という、西部劇でよく使われていたようなクラシカルな言い回しに、最も現代的な卑語の一つである"motherf*cker"が続くという、そのギャップというか、落差が面白かったのだろうとのこと。

彼の話を受けて、ダイハードシリーズ、記念すべき第一回のイピカイエー発言を調べてみると、こんなやりとりの中で出て来てました。

正体の分からない邪魔者に苛立つ敵役のボス、ハンス・グルーバーは、トランシーバー越しにマクレーン刑事に問いかけます。(以下意訳。誤訳だったらご勘弁)



グルーバー「お前誰だ?子供のとき映画を観過ぎたアメリカ人なのか?自分のことを、ジョン・ウェインかランボーかなんかだと思ってる頽廃文化の落とし子か?」

マクレーン「俺はロイ・ロジャースの方が好きだった。あのスパンコールのついたシャツが特にね」

グルーバー「本当に私達に勝てると思ってるのかね?カウボーイくん」

マクレーン「Yippee-ki-yay, motherf*cker」




なるほどねぇ。第一作では、西部劇ネタからこの発言に繋がったわけですね。

これを字幕なり、吹き替えでニュアンスを出そうとしても難しいわ。

前述の説明を受けて、もしニュアンスだけでも忠実に訳すとしたら、

「あったりめぇだベラボーめ!このニート!」みたいなもんでしょうか。

って、そもそもニートは卑語じゃないか。大変失礼しました。>ニートの皆様


そんなこんなで、今回の"Live Free or Die Hard"でも、いつイピカイエーが飛び出すかワクワクしながら待っていたのですが、期待に違わず言ってました。イピカイエー。それとセットの単語も忘れずに。

もしこれまでイピカイエーをご存知無い方がいらっしゃったなら、今後はちょっと、そんなところにも注目してダイハードシリーズを鑑賞してみたら面白いと思います。

無理矢理まとめてみました。

ではまた。
【2007/07/15 10:17】 | Lost in Translation | トラックバック(1) | コメント(6) | page top↑
<<残り物はなんですか。 | ホーム | 生存率 数%からの生還>>
コメント
1、2は観た覚えがあるんですけど・・・それ以降は飽きてしまって・・・。twitettaさんの記事で観た気になったりして。そうですか、アメリカ人はダイハード好きなんですねぇ。うちの子も観たいっていいますねぇ。イピカイエーは初耳。ネイティブ・アメリカンの言葉っていうと「Xファイル」によくでてきたなぁって思い出したりして。子供にせがまれるので、観る機会があったら、注意して観たいと思います、イピカイエー。
【2007/07/17 19:25】 URL | piki #tMJS4hz.[ 編集] | page top↑
pikiさん

コメント有難うございます。私は「3」でちょっと落胆したクチなのですが、「4」は意外と楽しめました。お子さんの教育上良いのか悪いのかはよく分かりませんが、今回はPG13なので、前作よりは親御さんも安心・・・かもしれません。でもいまの時期なら、子供はやっぱりトランスフォーマーの方が良いのかも知れませんね。あっちはあっちで「大きいお友達」が夢中みたいですが。。。
恥ずかしながらXファイルはそれほど熱心な視聴者ではありませんでしたので、ネイティブアメリカンの言葉がどれくらい出て来たかは覚えてません・・・なんか後半、男の主人公が「ターミネーター2」で敵役を演じた人に変わったんでしたっけ?きちんと結末を迎えたのかどうかも怪しいです。イピカイエー。
【2007/07/18 15:46】 URL | twitetta #-[ 編集] | page top↑
うちの子は、「House」や「24」が好きなので、たぶん彼的には「トランスフォーマー」よりも「ダイ・ハード」派だと思います。
年齢制限・・・前に大幅に越えたゲーム(モンスターハンター)を買ってあげてしまって失敗しました。今、彼は、レゴ・スターウォーズをやってます。主人は主人で洋ゲー派で今バイス・シティをしています。親子ともども洋ゲーが好きですね。
Xファイルは、モルダーが復活して、なんとか宇宙人の侵略計画をばらして、宇宙人の倒し方がわかって尻つぼみで終了しています。実は私はXファイルおたくです。実家にピアノを置きっ放ししてもXファイルのDVD全巻は大切にTVの横に鎮座しております、詳しい一話ごとの解説書付きで。ビバ・オカルト。
【2007/07/18 22:32】 URL | piki #tMJS4hz.[ 編集] | page top↑
>pikiさん
>「トランスフォーマー」よりも「ダイ・ハード」派だと思います。

そうですか。それは頼もしい。意味不明ですが。
モンスターハンターはかなり評判の良いゲームだそうですが、年齢制限があるんですね。結構表現が厳しいのでしょうか?
ちなみに、一番嬉しい発見は、旦那様が洋ゲー派とのこと。何を隠そう私も根っからの洋ゲー好き。GTAは歴史的傑作だと思ってます。サンアンドレアスは時間がなくてクリアしてませんが、PSP版までカバーしてます。旦那様にどうぞよろしくお伝え下さいませ。
Xファイル、そんなところまで話が続いていたのですね。勉強になりました。私はいま"The Office"をDVDで揃えようかと思ってます・・・。
【2007/07/19 19:53】 URL | twitetta #-[ 編集] | page top↑
「モンスターハンター」は、モンスターをやっつけると、血飛沫があがって、そこがグロいらしいです。
主人は、コールオブデューティとかスパイダーマンを必要に迫られて?必死にしていましたが、スパイダーマンは子供に完敗。なんだか、知らないうちに洋ゲー沢山買い込んで、戸棚に隠しています。
「The Office」は、BBC版ですか?NBC版ですか?BBCのはWOWOWでやっていて主人が大笑いして見ていました。
主人とtwitettaさんは意外と趣味が合うかもしれません。
【2007/07/22 01:30】 URL | piki #tMJS4hz.[ 編集] | page top↑
>pikiさん
多分旦那さんとは話が盛り上がると思います。他人から観たら痛々しい感じに映るかも知れませんが・・・。
洋ゲーは人を選ぶ分、嵌ると日本のゲームが物足りなく感じますよね。いつか子供が生まれたら洋ゲーの英才教育を施したいと思ってますが、多分妻に止められるような気もします。
私が嵌ったの"The Office"はNBC版です。BBC版を好きな方からは評判が悪いようですが、オリジナルを観てないので比較もできません。支店長役のスティーブ・カレルが好きだと言うのもあるのですが、あの「いたたまれなさ」というのが堪りません。
wikiによるとNBC版は後半に行くに従ってBBC版の設定を完全に無視した独自路線になってるようなので、機会があれば是非ご覧下さい。アメリカでは秋からシーズン4が始まる予定です。
私も今度BBC版をチェックしてみることにします。
【2007/07/22 17:08】 URL | twitetta #-[ 編集] | page top↑
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