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英語で笑おう。
英語でチャットやSNSをやっていたり、掲示板の書き込みを読んでると、良く分からない略称に出くわすことがあります。lolとかLMAOなんてやつ、見たことありませんか?

これは日本で言うところの(笑)、今だったらwにあたる奴です。

一昔前は、日本でも笑いの大小を表す方法として(笑)や(爆笑)もしくは(爆)、不謹慎なやつだと(核爆)なんてのがありましたね。最近はあまり見ませんが。

その代わりwを何個も重ねて笑いの強弱を表現してる、なんてのは良く見かけます。

それと比べて、英語のネットスラングには本当に数多くの「笑い」を表す略語が存在します。いやその豊富さは調べていてうんざりしたほど。

ということで、今回はそれらのご紹介。

太字で略語および元の表現。あとその訳を挙げてみます。訳、とは言うものの、決して正しい訳になってるわけじゃなく、その表現があらわす意味を直訳風に通じるように書いてます。

いつも通り、何か間違いがありましたらご指摘頂けると有難いです。

では、笑いの勢いが弱いものから順番に。どうぞ。



第一段階 助走

まずはちょっとした一人笑いからスタート。

<g> =Grin
→ にやっと笑ってます。


訳をみると「歯を見せて笑う」となってます。

LTM = Laugh to myself
→ 一人で笑ってます。

BL = Belly Laughing
→ おなかを抱えて笑ってます。

BWL = Bursting With Laugther 
→ 笑って吹き出してます。

LOL = Laugh Out Loud/Laughing Out Loud 
→ 大笑い。


これはポピュラーですね。lollolなんて繰り返しつかって強調したりもします。

LOOL = Laughing Out Outrageously Loud
→ 大爆笑してます。


LOLの進化した奴ですね。

LMAO = Laugh My A*s Off 
→ 尻が抜けるほど笑ってます。


尻が抜けると書いたのは意訳です。あくまで強調表現なんで厳密に尻が抜けてるわけじゃないと思いますが。当たり前か。

LMAFO = Laughing My F*cking A*s Off
→ ケツが抜けるほど笑ってます。


上記表現の下品版です。
 
LMSO =Laughing My Socks Off 
→ 靴下が脱げるほど笑ってます。


シチュエーションが良く分かりません。

LHO = Laughing Head Off
→ 頭がぶっ飛ぶほど笑ってます。


SWL = Screaming With Laughter
→ 叫びながら笑ってます。

LSHMBH = Laughing So Hard My Belly Hurts
→ 笑いすぎてお腹が痛いです。

BMGWL = Busting My Gut With Laughter 
→ 笑って腸が破裂してます。


大丈夫ですか。



第二段階 椅子から落ちる

どうやら英語の世界では、笑いが高じると、椅子から落ちる必要があるようです。

FDL = Falls Down Laughing
→ 笑い転げてます。

FOMCL = Falling Off My Chair Laughing
→ 笑いすぎて椅子から転げ落ちました。




第三段階 転げまわる

椅子から転げ落ちたら、次にするべきは床を転げまわること。

ROTFL = Rolling On The Floor Laughing
→ 床の上で笑い転げています。

ROFLMAO= Rolling On The Floor Laughing My A*s Off
→ 尻が抜けるほど笑いつつ、床を転げまわってます。

ROTFLMBO = Roling On The Floor Laughing My Butt Off


上記のやや上品版です。AかBかの違い。

ROTFLOLWS = Rolling On The Floor Laughing Out Loud Without Stopping
→ 床の上で笑い転げてます。止まりません。

ROTFLMAOWTIME = Rolling On The Floor Laughing My Ass Off With Tears In My Eyes
→ 床の上で尻が抜けるほど笑い転げて、涙が出てきました。




第四段階 限界を超える

これ以上の勢いで笑うためには、笑いの渦に身を任せ、人間としての尊厳を捨てる必要があります。

ROTFLOLAPMP = Rolling On The Floor Laughing Out Loud And Peeing My Pants
→ 床の上で笑い転げて、おしっこを漏らしています。


え?

ROTFLABAOTP = Rolling On The Floor Laughing And Barfing All Over The Place
→床の上を笑い転げ、そこら中に吐いてしまいました。


きたないです。

ROTFLMAOWPIMP = Rolling On The floor Laughin My A*s Off While Peeing My Pants
→ 床の上で尻が抜けるほど笑い転げてます。おしっこを漏らしながら。


またですか。

ROTFLAOBTC = Rolling On The Floor Laughing And Occasionaly Bitting The Carpet
→ 床の上を笑い転げて、時々カーペットを噛んでます。


そこさっきおしっこしたり、吐いたりしたんじゃない?大丈夫?


ROTFLMAOSHTCCOMNAIWEDA = Rolling On The Floor Laughing My Arse Off So Hard That Coke Came Out My Nose And I Wasn't Even Drinking Any
→ 床の上で尻が抜けるほど笑ってたら鼻からコーラが出ちゃったよ。ってか何にも飲んでないはずなのに。


もう何がなにやら。


ROTFLMAOTID = Rolling On The Floor Laughing My Ass Off Till I Die
→ 床の上で尻が抜けるほど笑い転げてます。死ぬまで。 


死んでしまったようです。



ちょっと汚いのが続いたので、口直しにこんなのも。


ROTFLOLSTC = Rolling On The Floor Laughing Out Loud Scared The Cat
→ 床の上で笑い転げていたら猫を驚かせてしまいました。


かわいいですね。

ROTFLBTCASTCIIHO = Rolling On The Floor Biting The Carpet And Scaring The Cat If I Had One
→ 床の上をカーペットを噛みながら転げてて、猫を驚かせてしまいました。猫はいないけど。


いないのかよ!



というわけで、ずらずら紹介してきましたが、これらの中には正直「本当に使ってんのかこれ?」というのもあります。

ただ、このリストを覚えれば、今日からあなたはネイティブスピーカーのどんなギャグに対しても、ありとあらゆる笑い声で対応できるというわけです。弾薬は多いほうが良い。

例えば、あなたが素敵なアメリカ人男性/女性とチャットをしてるとして、ちょっと相手の言ってることが理解できない。でもきっと面白いことを言ってるんだな、と思ったらとりあえず

Wow! ROTFLOLAPMP!

とか

Oh! ROTFLABAOTP!

とかサラっと書いておけば、英語上級者の振りが出来ますし、好感度がアップすること間違いなしです。

うそじゃないですよ。<g>
ではまた。
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【2010/10/14 23:58】 | Lost in Translation | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
メガヨナキ
2歳と6ヶ月を過ぎた娘ですが、ここ最近1週間に1度くらいのペースで凄まじい夜泣きをするようになりました。

もうそれは夜泣きなんて言う言葉が似合わないほどパワフル。名づけてメガヨナキ。

一番最初にそいつがやってきた時のことは忘れられません。

その晩、娘を寝かしつけ、私たち夫婦はTVを観ながら静かな夜を過ごしていました。

午前12時ごろ、突然寝室から「ギャーーー!」という叫び声。ドスンドスンと言う音まで聞こえてきます。

慌てて寝室に見に行けば、そこにはベッドが揺れるほどの勢いで跳ね回り、泣き叫ぶ娘の姿が。

ベビーベッドの柵から足を突き出したかと思うと、今度は軽く柵をたわませるほどの力で蹴り飛ばし、その反動は娘の体を浮かせるほど。

なんじゃこりゃ!

親がどんなに優しく声をかけようが、ポンポンと叩いてあやそうとしても無駄。全身の細胞が逆鱗と化したのかのように、外界からの干渉全てに猛烈な駄目出しで回答する。

時折、「ふぅ・・・」みたいな吐息とともに、5秒近く静かになるので、ああ、やっと落ち着いたかと思ったとたんに再び「ギャーーーー!」

いやもう、怖い怖い。

横になった状態で柵を蹴り続ける娘は、その勢いがあまりにも強いせいか頭を軸にしてグルグルと狭いベビーベッドの中を回転。その様子はMatrixのトリニティかのよう。狂乱状態のハムスターみたい。いや、そんなの見たことないけど。

これはまた中耳炎が始まったのかと心配したのですが、昼間に耳を触ったり、「耳、痛い」と自己申告をしていた覚えもなし。

どうやら単純に夜泣きってことらしい。でもこの勢いは尋常じゃない。

メガヨナキの権化となった娘に戦々恐々としながらも、慌ててネットで解決策を検索すると、どうやら2歳くらいでも夜泣きはあるようで、こういう時は一回きちんと目を覚まさせるのが良いらしい。

いやでもこんな興奮状態の娘を起こしたら、もうその夜、親は睡眠をあきらめなきゃいけないんじゃないかと恐怖がつのる。

とはいえ、このまま放置するわけにもいかない。

しかも娘は、柵ををガツンガツンと蹴りまくりながら、「ギャー!」だけではなく、「ノォォォーー!マミィィイィィ!ノォォォォダディィィィーーーー!」と言った何だか人聞きの悪い寝言、というが「寝絶叫」までする。

このままだと、虐待を疑われて通報とかされそうだ。

いやそれよりなにより、こんなにパニクってる娘に何らかの助けの手をさしのべなければ。

えいやってんで、覚悟を決め、昔ローカルTVで流れていたホテルのCMを思いだしながら、バインバイン跳ね回る娘を抱きかかえて明るいリビングへ娘を連行。

ところが、そこに誤算が。

私たちの住むアパートは、アメリカの基準からすると狭いものの、天井だけは偉いこと高い。一番高いところはざっと4m以上。

そこに声帯が爆発してんじゃないかって娘を連れて行くのは、今考えれば自殺行為でした。

ギャー!と泣く娘の声は、我が家の高い天井に反響して、「ギャーーーーーーーー!」の後に(ウワアアアアアン!)という耳鳴りを両親の鼓膜に残します。

「さー!ケメ(←娘の名前)!!ちょっと起きよう!一回、落ち着いて話し合おう!」

そんな悲鳴にも近い親の声も、音響兵器と化した娘の耳にはあまり届いてない様子。そりゃそうだ。私も自分で叫んでる声が遠くに聞こえるくらい。


ギャーーーーーーー!(ウワンウワン)

ノゥマミィィィィィー!(インインイン)

ギャーーーーーーー!(ウワンウワン)

ノゥダアディィィィィー!(インインイン)

あっと言う間に、私も妻もなにやら耳に綿が詰まったみたいな状態になり、三半規管までやられたような気がして足元がグラグラしてきた。

跳ね回る娘を抱えつつ、慌てて床に座り込む大人2名。

やっぱりこれは中耳炎かも知れない、と思い痛み止め用の薬を準備したりするものの、実際に飲ませることなど夢のまた夢。

これはもうどうして良いか分からない。

いつの間にか、妻の目の下には何故かクマが出来てきて、顔色まで悪くなってきました。てか、視線が合ってないぞ妻。

仕方がない、最後の手段と思い、匍匐前進しながら、私は自分のカバンのもとにたどり着き、iPodを取り出すと、中に入ってる""Dora the Explorer"という子供向けTV番組を再生。娘に近づけます。

娘の絶叫越しに、か細く聞こえるテーマソング。画面の中でDoraが踊り始めました。

「・・・・・・ウフフ」

残響が満たされた我が家のリビングに、さっきまでとは全く異なった娘の声が。

目尻に溜まった涙を拭きもせず、ニヤニヤしながら画面を注視する娘。耳鳴りで頭がグラグラしてる親はその様子を呆然として見ています。

あっと言う間に目を覚ました娘は「ドーラ!ブーツ!」などと登場人物の名前を叫ぶと、不意に自分の足で立ち上がるとテーブルに近づき、さっきまでいくら勧めても飲もうとしなかった水と薬をキュキュッと飲み干すと、iPodを私の手から奪って、鼻歌交じりに番組を楽しみ始めました。

その後、小一時間もすると娘はウトウトし始め、ベビーベッドに運ばれるのにも抵抗せず、おとなしく夢の世界に帰って行きました。

残されたのは、一体今のが何だったのか理解できずに憔悴した私たち。

子育てってのは本当に何が起こるか油断ができません。

ではまた。
【2010/10/12 11:27】 | アメリカで育ててみる | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
キリスト教原理主義者の大学に普通の学生が入学してみたら・・・(後編)
問題:以下の文章のうち、正しいものを一つ選びなさい。

(1)進化論は科学的手法によって証明できる。

(2)科学は世界の真実について知ることのできる唯一の方法である。

(3)ノアの箱船は、様々な種類の恐竜を運べるほど大きかった。








正解は(3)。

なぜなら大洪水の後も人間と恐竜は共存していたので、当時の人間はなんらかの方法を見つけたに違いないから。


・・・なんの説明になってるのかわからない。

こんなテストが真面目に行われている大学というのがアメリカにはあります。

アメリカはヴァージニア州にあるリバティー大学。キリスト教原理主義者によるキリスト教原理主義者のための大学で、「バイブル・ブートキャンプ」という名前で呼ばれています。

そこにキリスト教原理主義者の振りをして、大学に潜り込むことにしたのがケヴィン・ルース(Kevin Roose)。そしてその顛末を書いたのが"Unlikely Desciple”という本です。


Unlikely Disciple


ということで、前回の続き

リバティー大学に編入を決めた彼ですが、信者のフリをするため、キリスト教原理主義者の家庭で育った友人に即席の特訓を受けた後、リバティー大学の寮生活を送ることになります。

彼は聖書学や生物学で、普通の大学ではありえないような授業の内容に目を白黒させながらもスパイ学生を続けます。

慣れない聖書の勉強に四苦八苦しながらも、生徒による集団祈祷会、聖書の勉強会、教会のコーラスグループなどに積極的に参加し、他の生徒たちとの交流を結んでいきます。

ケヴィンが紹介するリバティー大学での生活はどれも興味深いディティールで一杯です。

クリスチャンロックやクリスチャンラップと言った独特なポップカルチャーや、キリスト教フェミニストとの出会い、ゲイを「治す」カウンセラーとの対話、禁欲セッション、デイトナビーチで浮かれている人々への布教ツアーなどなど、読者は普通のアメリカ人でも一生知ることのないような世界を覗き見ることができます。

奇しくもケビンが在学中に、ヴァージニア工科大学銃乱射事件が起こり、その事件にリバティー大学の学生たちがどのように反応したかと言ったことも詳しく書かれています。

ここで紹介されるエピソードには、やっぱりちょっと理解できないことも多く、この大学の方針はどう考えてもおかしいんじゃないか、と思うこともあるのですが、ケヴィンはそれらをなるべく公平に、そしてそれが無理な場合でも、自分の目にバイアスがかかってることを承知した上で記述していきます。

「うわーやっぱりちょっとキリスト教原理主義者ってオカシイ!」ってな話が沢山ある一方で、ケヴィンが目にする光景の中には、当初予想していたものとは異なるものも出てきます。

まずケヴィンを驚かせた最大の点は、同性愛や中絶問題、最大公約数としてはかなり保守的な思想をもつものの、そこにいたのは普通の学生だということ。当然、勉強や恋に悩むこともあるし、自らの信仰心にすら疑問を持ったり、挫折することもあります。ケヴィンが出会うリバティー大学の生徒達は、一般の人たちが思い込んでいる「キリスト教原理主義者」というおおざっぱなグルーピングでは収まらない、もっと多面性をもった人々だということ。

例えば、学生のなかにも、キリスト教原理主義者の政治活動を必ずしも好意的に捕らえてない人たちが結構いることや、一般的なキリスト教原理主義者のイメージとは異なり、ゲイ差別でも人種差別でも、あまりに極端な差別論者は却って敬遠されていたりするのです。

リベラルな思想をもった人たちがそうであるように、彼らも黒白で分けられる存在ではなく、限りなくグラデーションに近い、もっと言えば色とりどりの個性や信条、人生を背負った人々だということにケヴィンは気付きます。

またケヴィンは、リバティー大学の学生達が自分に対して示す友情や、誠実さに心を打たれ、自らの「嘘」に罪悪感を感じながらも、本当の友情を育んでいきます。

その中でも、厳しい規則の多いリバティー大学の中においても反抗心を持った学生達と出会い、特に彼らとの親交を深めていきます。(彼らのする「悪いこと」のひとつが、寮の部屋でR指定の映画を見ることだったりするのが笑えますが)

そんな学生生活が進むうち、ケヴィンの内面にもある変化が見られるようになります。

編入を決めたとき、周囲の人々はケヴィンがキリスト教原理主義に「転向」もしくは「洗脳」されてしまうのではないかと酷く恐れていたのですが、ケヴィン自身は最後までキリスト教原理主義者の信じる教えを完全には受け入れることはありません。

ただし、リバティー大学と言うある意味非常に特殊な環境に身をおくことは、良くも悪くも次第に彼の世界観に影響を与え始めます。

その中でも最大の点は「祈る」という行為について。

詳しく書くとネタバレになるので止めますが、どちらかと言えば無神論者に近かったケヴィンが「祈り」という行為に自分なりの答えを見つけるあたりはよく書けていて、筆者よりも断然「祈り」とは程遠い私の眼からも鱗が落ちました。

・・・なんだかこう書いていると、重いテーマばかりな感じがするかもしれませんが、そんなことはありません。

著者は当時19歳だったそうですが、そのユーモアあふれる筆致で語られるエピソードにはつい声を出して笑ってしまうこともしばしば。

キリスト教原理主義者になりすまそうと、それ用の自己啓発本を購入・実践していたところ、却って他のクラスメイトから「あいつちょっと変じゃね?」とか思われてた、みたいな話から、こういう潜入モノには欠かせない、「正体がばれるんじゃないかというスリル」「禁じられた恋」なんてものまで出てきて、読者の興味を引っ張り続けます。上手いんだこれが。

さらになんと後半、ケビンはひょんなことから学生新聞の記者として、大学の創立者であるジェリー・ファルウェル(Jerry Falewell)との直接インタビューまで出来ることになります。何と言う運命のいたずらか、これがジェリー・ファルウェルの人生で最後の新聞インタビューとなりました。ちょっと出来過ぎな気もしますが、本当の話。

そこでケビンによって語られるジェリー・ファルウェルの人柄についても、前編でも紹介したようなエピソードからはあまり想像がつかないような面が見られて興味深いです。

そして何と言っても、本書のラスト、ブラウン大学に復学したケビンはリバティー大学に再訪し、友人たちに自らの正体を明かすのですが、そこの部分もドキドキ。
ケビンのことを同じキリスト教徒と思って一学期を過ごした、友人のリアクションというのも大変見ものです。

本自体が面白すぎて、なんだか内容を羅列しただけみたいになってしまいましたが、とにかく今年読んだノンフィクションの中では一番の出来。

この本が出版以来、色んな書評でも誉められているのが納得できます。なにより面白いのは、一般の読者だけではなく、キリスト教原理主義者からも結構好評ということ。こういうテーマを扱うと、普通は賛否両論になりそうなんですがね。上にも書きましたがケヴィンの執筆に対する真摯な態度が読者に伝わるのでしょう。

本書から私が学んだことはと言えば、キリスト教原理主義者が集まる大学の知られざる内情、ということ以外に、やはり人をその思想、信条、宗教、価値観と言ったもので簡単に判断してはいけないのだな、ということ。

なんという当たり前の結論。でもそれが正直なところです。

日常生活でも、○○を信じているから誰それは馬鹿だとか、××に反対するアイツとは付き合えない、そう結論づけて人間関係を処理していくことは簡単だし人生も楽ですが、それで失っている機会というのは沢山あるはず。

だいたい、自分も相手もそんなに簡単に変わるわけがないのだから、意見の対立や、考えの違いのみに目を向けたって良くて現状維持、悪けりゃ掴み合いか絶縁にしかならず、生産的ではありません。

そういった部分はなんとか脇に措いて、とりあえず話し合って、まずお互いのことを理解しようとする。そういうプロセスを踏むことが、これからはもっと大事になっていくのでしょう。それはアメリカなら当たり前だし、今後多様化が進む日本でも同じだと思います。

そこでいきなり話は変わりますが、最近twitterをやっていて思ったことを少し。

twitterをやってて、ちょっとしたつぶやきがきっかけでやり取りをするようになった人が、ある日突然、思想的、心情的に自分と正反対の人だったと知って驚くことがたまにあります。

もし彼らが最初からそういう考えの持ち主だったと知っていたら、きっとやりとりすらしなかったでしょうが、それを知る前にその人がどんな人か、どんな日々を送っているかということが(140字未満の積み重ねと言うと限られたスペースの中でですが)、私はもう知っていて、ある程度親しみを持ってたりするわけです。そうするとなんだか人を単純にラベリングしてしまうことが難しくなります。

政治でもなんでも、大きな違いがあることは分かっていながら、その人のことは切り捨てられない。もっと知りたいと思う。答えは出ないかもしれないけど、対話は続けていきたいと思う。

テーマもスケールも全然違いますが、ケヴィンが貴重な学生生活を使って経験したことというのは、いまやtwitterなどのネットでもその一部分を体験することができるのかも知れません。牽強付会ですかそうですか。

ケヴィン自身、実は自らの経験をもとにとあるプロジェクトをやっています。The Jonah Projectと言うのですが、興味があるかたは著者のサイトを見てみて下さい。

この本、まだ日本では出版されてないみたいですが、いつか翻訳されたら是非。もしくは英語でも良いという人がいたら、手にとって見てください。

ではまた。


余談1:
本書で気になったことの一つ。リバティー大学には極めて少数ですが、クリスチャン以外の学生もいます。一つはスポーツなどの奨学金を目的に入学したアメリカ人。あとはLiberty Wayという厳しい校則に期待する親に送り込まれた子供たち。

もうひとつは、よく分からないまままに留学してきた学生。

いや、こういう人がいるんですって。

ためしにちょっとググってみたら、日本からの留学でよく使われるサイトにも情報が載ってました。(太字強調は筆者)

引用:
1971年創立。バージニア州リンチバーグ郊外にあるキリスト教系私立大学。神の理解に努め、学生自らが世界に対する視野を広げることを大切にしている。全部で38の専攻分野があり、人気の分野は看護学、スポーツ経営学、教育学など。学生は教会での集会に出席することを義務付けられ、キャンパス内は禁酒・禁煙。大学ではビジネス、国際政治、スポーツ、教育などさまざまな分野の指導者らを呼んで定期的に講演会を開催しており、学生にとって貴重な機会となっている。キャンパスの中心はジェファソン式の荘厳な建物で、コンピュータやテクノロジー設備が充実している。アイススケート場、ビリヤード場、TVゲーム設置のレクリエーションルームなどもある。スポーツはクロスカントリー、ラクロス、テニス、サッカーなどが盛ん。


いやいやいやいや。もっと色々と大事な情報が抜けてる気が。この情報だけを鵜呑みにして留学したら、きっと仰天すると思うよ。

余談2:

ちなみに不謹慎ですが、本書で紹介されてるクリスチャンラップの一節が面白かったので紹介。

Tryin' to find purpose in life without Chirst
Is like findin' Wesley Snipes in the dark with no flashlight

駄訳:
キリストなしで人生の目的を見つけようなんてのは、
懐中電灯なしで暗闇に潜むウェズリー・スナイプスを見つけようとしてるようなもんだ

なぜウェズリー・スナイプス(笑)

余談3:

私はこの本をKindleで読んだのですが、Kindle版には特別付録として、リバティー大学のテストで出てくるような問題を集めた例題集というのがついてきます。正解数に応じてどれだけリバティー大学的に「正しい」キリスト教徒か自己採点できる仕組みになってます(笑)。
こういう特別付録なんてコンテンツも、今後電子書籍じゃメジャーになっていくのかもしれませんね。クジラの歌声が聞こえる?気のせいじゃないでしょうか。
【2010/10/06 16:26】 | 読書関連 | トラックバック(1) | コメント(2) | page top↑
キリスト教原理主義者の大学に普通の学生が入学してみたら・・・(前編)
出版されたのは去年ですが、今年読んだノンフィクション系の本では、一番面白かったのでご紹介。

ケヴィン・ルース(Kevin Roose)という人が書いた"Unlikely Disciple"です。

Unlikely Disciple

簡単に内容を要約すると、キリスト教原理主義者がほとんどを占める大学に、リベラルな普通の大学生が「キリスト教原理主義者の振りをして」、1セメスターを学生として過ごした回顧録となってます。

これが素晴らしく面白かった。読んですぐにブログに書きたかったのですが、説明が必要な背景が多過ぎて、書きあぐねている内に、こんなに遅くなりました。

私が出来る範囲で簡潔に書いたつもりですが、それでもとても長いのはお許し下さい。

あと訳の問題。なんせ私自身キリスト教にも、いわゆる原理主義にも全然詳しくないので、不適切/不正解な訳語を使ってる可能性が高いのですが、それもご容赦を。

こんな長いの読めないよ!という方は、私を信用してとりあえず本書を読んでみるか、日本で翻訳が出たら試してみて下さい。

というわけで本題。今回は導入部です(笑)

※紛らわしい表記を訂正しました。(10月5日)



先日も9/11のコーラン焚書騒ぎや、クリスティン・オドネルなんてトンデモ議員の当選が話題にましたが、近年アメリカを語る際によくクローズアップされるのは、いわゆるキリスト教原理主義者という存在。

それについて語ったものでは、ドキュメンタリー映画では「ジーザス・キャンプ」が有名なところでしょうか。
映画評論家の町山智浩さんが一時期積極的に紹介されていたので、それで存在を知った人も多いかもしれません。

どういう人たちかと言うと、彼らは聖書に書いてあることを「そのまま」真実として受け取って、その教えを忠実に守ろうとしている人たちです。
例えば、世界はおよそ6000年前に神が7日間で創造したもので、アダムとイブが最初の人類。ノアの箱船は大洪水のなかをドンブラコしたって信じてるわけです。

進化論を否定したり、学校でID論(世界は何らかの知的存在によって作られたという、進化論に反対する人たちが唱える説)を教えるように訴えたり、同性結婚に強行に反対したり、地球温暖化は陰謀だと言ったり。

日本でたまに見かけるアメリカ発のニュースで「なんじゃそりゃ?」と思わせるような話は大体このキリスト教原理主義者が絡んでることが多いです。

宗教心が薄いと言われる日本とは違って、プロテスタントの流れを汲むこのキリスト教原理主義者の数は米国でも多く、また富裕層が多いことから、アメリカの政治に多大な影響力を持つことでも知られています。

ブッシュ大統領の最大の支持基盤だったことでも有名ですね。

そのキリスト教原理主義者の中でも大物中の大物というのがいました。2007年に亡くなってしまいましたがバプティスト派の牧師、ジェリー・ファルウェル(Jerry Falwell )という人物です。

まずはこの人物の説明をしなければいけません。

古くは1979年に「モラル・マジョリティ(道徳多数派)」というキリスト教に特化した保守系政治団体を結成、保守派のロナルド・レーガン政権誕生の一つの推進力になったことで有名ですし、上述のように2004年のブッシュ再選でも勝利に多大な貢献したと言われています。

テレビ伝導師としても有名で、政治的にはバリバリの保守、その過激な発言・行動は何度も大きな騒ぎになりました。

有名なところではこんなのがあります。

・9/11は天罰説

9/11直後に発言してかなりの話題になったのがこの発言。彼は9/11をアメリカから伝統的な宗教を排除する動きに対する神の怒りの表れとして、その責任の一端は、異教徒、中絶を行う医師、フェミニスト、そしてゲイやレズビアンの活動家、米国自由人権協会などにあると指弾しました。

実際の発言の様子。



・地球温暖化はでっちあげ

彼らは地球温暖化説というのは政府から金をもらっている科学者達による陰謀であるとの説を唱えています。
ちなみに彼らが地球温暖化が嘘であると唱える根拠の一つは、「聖書に書いてあるから」ということらしいです。

知ってました?もう少し詳しく書くと、ノアの洪水の後、神は二度と洪水によって人類を沈めるようなことはしないと約束してるから、温暖化のようなことは起こらないんだそうです。わお。

・テレタビーズゲイ疑惑

テレタビーズ。昔日本でも人気がありましたが、あの登場人物中の紫の奴はゲイという説を唱えました。
「やつは紫色、紫はゲイのシンボルカラー。そしてやつの頭についているアンテナは三角形。ゲイ・プライドシンボルマークだ」からとのこと。

一番右の奴です。見りゃ分かるか。


・クリントンクロニクル

これはあんまり日本では知られていませんが、ファルウェル一派はクリントン政権時代にクリントンを中傷するビデオを配ったことで知られています。内容と言うのが、クリントンはコカイン中毒で、ドラッグの密輸やマネーロンダリング、セクハラなどをしており、更には当時の大統領次席法律顧問ビンス・フォスターや多数のジャーナリストの死に関与していると糾弾した衝撃的なもの。このビデオ(当時はVHSなので)はすぐに反証され、デマカセというのが判明しましたが、30万部も配布されたと言います。

そのほかにもTV番組の中で「エイズはホモセクシュアルに寛容な社会に神が与えた罰だ」とか、ムハンマドをテロリスト呼ばわりしたりと、まぁそのトンデモ発言には枚挙がありません。

こんな発言をしているファルウェル、日本だったら到底支持を集められないと思いますが、全米最大級のメガチャーチを率いていました。信者の数はおよそ2万人。

そして、なんと大学まで設立しています。

その名もリバティー大学。ヴァージニア州リンチバーグに存在し、基本的にキリスト教原理主義者を対象とした教育を行っています。

別名「バイブル・ブートキャンプ」

この大学はおそらく全米でも指折りの保守的な大学として知られ、学生は46pの行動規範、リバティーウェイと呼ばれる規則を守らなければいけません。破った場合は罰金および罰則点と言ったものが付けられます。

たとえばこんなルール。

・酒、タバコの所持、使用の禁止。酒を飲む場所に居合わせてもいけない。
・どんちゃん騒ぎ禁止。
・門限は厳守。
・ダンスパーティーに行ってはいけない。
・カーシング(罵り言葉)を言ってはいけない
・R指定の映画を観てはいけない。
・手をつなぐ以上の個人的な接触は禁止。ハグは3秒まで。
・異性と一晩を過ごしてはいけない。というか、異性の寝室に入ってはいけない。
・男子の髪型は襟にかかってはならず、耳が出ていなければいけない。

などなどなど・・・その学生生活は楽しいのか?

当然、宗教大学ですから、そこで教えられる内容もキリスト教原理主義に基づいたもの、具体的にはキリスト教原理主義者の解釈による(かなり偏った)聖書の内容を学ぶとともに、現代社会に蔓延る不信心な人たちに如何に論理的に対抗するかを学ぶ内容になっています。

たとえばリバティー大学では進化論を教わるのですが、そのクラスで教わるのは進化論が正しいということを教えるのではなく、進化論がどれだけ「間違ってて」「馬鹿げてるか」というのを生物学の学位をもった教授が懇切丁寧に教えてくれます。あこれ、ちなみに必修科目です。

こんなふざけた話を聞くと、なんだかリバティー大学は私塾に毛が生えたようなところかと思うかもしれませんが、これがなんと立派なリベラルアーツの総合大学。

神学部だけでなく、法学部、工学部、航空学部などもあり、その生徒数は1971年にはたった154人だったのが、2007年ではオンラインで受講している人を含めるとなんと2万5千人。

日本の大学で言えば、例えば中央大学と同じくらいの規模になります。

勉学以外の分野でも学生たちは優秀な成績を残しており、この大学のディベートチームは全米でも有数の強豪だそうですし、スポーツではメジャーリーグやNFL、NBAの選手も輩出しています。

弁護士や政治家を目指す人も多く、大企業のトップにもここの卒業生がいるそうで。

個人的にはシカゴとシアトル、どちらも比較的リベラルな都市に住んでいたこともあり、学生時代のクラスメイトや妻の元上司にも敬虔なキリスト教徒はいましたたが、いわゆるキリスト教原理主義者と接近遭遇した経験はありませんでした。

・・・いや、昔ESLに行っていたときにクラスメイトだった韓国人のS、いま考えてみれば彼はかなりそっちの方だった気がします。ってあれは韓国系キリスト教徒か。そっちはそっちで全然話が違うので割愛。

こんな具合に結構な規模を誇るリバティー大学ですが、実はアメリカ人にとってもキリスト教原理主義者というのはそれほど身近じゃないという話もあります。本書にも挙げられている調査によれば、アメリカ人の51%は交友関係にキリスト教原理主義者がいない、というも説もあるそうで。

一方で定義や調査団体によって数がばらけますが、一般的にアメリカ人の3割がキリスト教原理主義者とも言われてます。ものによっては4割なんてのも。

存在は知ってるけど、実際には話したことがない、そんなアメリカ人が多いってことですね。極分化してるってことかもしれません。

じゃあその、話には良く聞くけど、そういうキリスト教原理主義者の人たちが通うリバティー大学っていったいどういうところなんだろう、そこではどんな学生生活が営まれているんだろう。

そんな疑問を持ったのが、今回紹介する本の著者、ケヴィン・ルースです。

彼自身はクエーカー教徒の家庭に育ったものの、キリスト教信者とはほど遠い普通の学生です。
しかもブラウン大学というのは、アメリカの大学でも特にそのリベラルな校風で知られたところ。

彼は19歳のとき、とあるジャーナリストの元でインターンをしていて、リバティー大学の学生たちとほんの少しだけ話す機会がありました。そこで、自分とはまったく異なる学生生活を送っている彼らに衝撃をうけます。

普通だったら「いやー自分と同世代なのに、変わった連中がいるもんだ」で終わりそうですが、彼はそこでなんとブラウン大学からリバティー大学に一セメスターだけ編入して、この「バイブル・ブートキャンプ」を実際に体験しようとします。
しかも、キリスト教原理主義者のフリをして。

この本のタイトル、"Unlikely Disciple"というのはおそらくアメリカ人作家が書いた"Unlikely Spy"(日本ではマルベリー作戦」)からとったものだと思うのですが、まさにニセ信者の振りをする彼はまさにUnlikely Disciple(ありそうもない/疑わしい 信者の意) 。

彼が「バイブル・ブートキャンプ」で見聞きするものは何なのか、潜入を終えた後、彼の世界観に変化が起こるのか?

というところで、偉い長くなったので、実際の感想については次回に。

ではまた。

Unlikely Discipleが出版されるときに作られたトレーラー(4分)



今回書いた内容はほぼこの動画を見れば分かります(おい)
【2010/10/05 14:12】 | 読書関連 | トラックバック(0) | コメント(4) | page top↑
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