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ウォッチメンに登場するスーパーヒーローの元ネタについて調べてみた。
壁に注目


ウォッチメン映画版脚本の変更前と変更後についてのエントリを書いたところ、幸いにも色々なところでリンクを貼っていただいたようで、沢山の方々に来て頂きました。

日本でもウォッチメンの映画版に対する期待が高いようで、原作の(にわか)ファンとしても嬉しい限りです。

そんなわけで、感謝の気持ちも込めて、今日はウォッチメンに登場するスーパーヒーローのネタ元について書いてみようと思ったり。

有名な話なので知ってる人も多いとは思いますが。

そして、ひょっとしたら日本語版コミックや映画のパンフレットなんかで書いてあることばかりかもしれませんが、アメリカに住む身の辛さ、そこらへんの事情が良く分からないので、そのまま書いてみます。

※上の画像は先日放送されたサウスパークから。この日のエピソードはウォッチメンとかバットマンダークナイト、あと公開が近いザ・スピリットのパロディでした。




ウォッチメンという作品を語るにあたって、よく言われるのは「アメリカンヒーローの脱構築を目指した」ということです。

脱構築ってことは、その元が無いといけないわけで、ウォッチメンのヒーローにもそれぞれモデルというのが存在します。

モデルというとちょっと誤解を招きそうなのですが、そもそもウォッチメンはチャールトンコミックという出版社が持っていたキャラクターを「そのまま」使って作られるはずでした。

遡って話をすれば、チャールトンコミックの経営が悪化したために、キャラクターのライセンスをDCコミックが買ったので、そのキャラクターを使ってアラン・ムーア(ウォッチメンの原作者)が考えたのが「ウォッチメン」の始まりだったわけです。

しかしながら、アラン・ムーアのアイデアを聞いたDCコミック側からチャールトンコミックのキャラクターではなく、オリジナルキャラクターでやったらどうかということになり、「ウォッチメン」になったわけです。

なぜチャールトンコミックのキャラクターをDCコミックは使わせなかったのか?

これについては諸説あるものの、DCコミック側としてはこれらのキャラクターを将来的に使っていこうという意図があり、「ウォッチメン」のような一つの物語として完結してしまうストーリーに使われたくなかったというのがどうやらその理由のようです。

実際、チャールトンコミックのキャラクターは「ウォッチメン」出版以後DCコミック版としてリニューアルされて色々な作品が出ていますし、さっきTVをつけたらロールシャッハのモデル、「ザ・クエスチョン」がバットマンとアニメで仲良く競演していたので、この説はそこそこ信憑性があるのでしょう。

それでは、ウォッチメンのキャラクターの元ネタについてご紹介いたします。

各ヒーローの説明については、wikipediaその他から色々引っ張ってみました。

画像についても方々から持ってきていますが、フェアユースとして認識して頂ければ幸いです。

いつもながら誤解、誤訳などの指摘は大歓迎。ネットのCollective Intelligence頼みです。

あと、それぞれのキャラクターはDCコミック版になってからも活躍しているため、設定や見た目、ストーリーが変わってるのもいますが、このエントリではチャールトンコミック版を基本にしています。

それでは、ウォッチメン原作の登場順にご紹介。




コメディアン=ピースメーカー(Peace Maker)

comedian

ウォッチメンの中で、ある意味最も複雑なキャラクターであるコメディアン(上の画像)。彼の元ネタはピースメーカーというキャラクターです。

ピースメーカーの正体は外交官クリストファー・スミス(Christoper Smith)。こんな人です。
peace maker


元の絵を見ると全然違うじゃん!という声が聞こえてきそうですが、彼のキャッチコピーを知ればコメディアンとの類似性に気がつくでしょう。

ピースメーカーのキャッチフレーズとは、

"A man who loves peace so much that he is willing to fight for it!"

意訳すれば、

「彼は平和を愛する男。平和のためには喜んで戦う!」

なんだか「健康のためには死んでもいい」と同じくらいふざけた話ですが、実際メンタル面もかなり問題があり、その暴力的な志向には、ナチとしてユダヤ人虐殺に加担していた父親に対する恥の気持ちが大いに影響を与えているということで、暴力衝動過多なキャラクターのようです。

それだけではなく、イラストにもある妙ちきりんなヘルメットにはこれまでに彼が殺した、もしくは巻き添えになって死んだ人間の霊が篭っており、時折彼にアドバイスやコメントをしてくれると言う設定だそうで。

・・・なんだか全然ヒーローじゃない気がしてきた。電波系だ。

「平和」のためには人殺しを全く躊躇わないとか、アメリカ政府の下で特殊部隊としてテロリストを追い詰める仕事をしていたりするあたり、コメディアンの造形にも非常に共通するものを持ってますね。


ロールシャッハ=ザ・クエスチョン(The Question)

rorshach

我らが(笑)ロールシャッハ(上の画像)、なんだかんだ言って作品中、一番人気のあるキャラクターだと思いますが、ネタ元はザ・クエスチョン。見た目はこんな感じ。

the question


まんまですね。

スパイダーマンの作者としても知られるスティーブ・ディッコ(Steve Ditko)が創造したキャラクターで、後述しますがナイトアウルのネタ元、ブルービートルの作品に登場したのが初めてだそうです。

その正体はTVジャーナリストのヴィクター・セイジ(Victor Sage)。「顔なしマスク」に見えるのは元々医療用に開発された特殊な人工皮膚で、傷口につけると有毒という致命的な欠陥があるため開発が中止されたという物騒な代物ですが、かぶっても呼吸や視界をさまたげず、様々な変装に使うことが出来るものだそうです。

彼は哲学の客観主義(主観を排し、真理・価値・規範の存在を主張する哲学)をモットーとしており、社会の腐敗は絶対に許さず、悪人に対しても決して容赦をしないというのが特徴。ちなみに得意なことは調査と格闘。

その見た目だけではなく、悪に対しては絶対に妥協しないというところも、ロールシャッハに影響を与えてるのでしょう。

上述のごとく、ザ・クエスチョンは今でも元気に活躍してますが、哲学的には「禅」よりになってるようです。・・・禅問答をするロールシャッハってのも面白そうですね。間違ったら小指を折られそうで。

余談ですが、このクエスチョンのマスクをコスプレで使うための指南をしているサイトを見つけたのでリンクを貼ってみます。

アメリカのオタクも熱い。

ナイトオウル二世=二代目ブルービートル(Blue Beetle)

Niteowl-ii

映画版ではバットマンチックに格好良くなったナイトオウルですが、個人的には原作の中年太りっぽい方が好きです。

そんなナイトオウル、バットマンみたいな見かけとは裏腹に、元ネタはブルービートルと言われています。

blue_beetle_the_second

ナイトオウル二世と二代目ブルービートルの共通点としては、まずは両者とも先代がいて、その後継者であるということでしょう。そして初代ブルービートルの正体が警官であったことも初代ナイトオウルと同じですね。

二代目ブルービートルの正体はテッド・コード(Ted Kord)という天才的発明家。

スコープとか防護スーツなどの様々なガジェットを開発していたり、明らかにナイトアウルのアウルシップがモデルにしたであろう、"Bug"というエアシップ(上の画像でも写ってます)に乗ってることなんかもナイトオウルと共通しています。

Dr. マンハッタン=キャプテン アトム(Captain Atom)

drmanhattan

映画史に残るブラブラとして存在感とか色んなものを出しまくってるDr.マンハッタン。

彼の元ネタはキャプテン アトムと言います。

キャプテンアトムの正体はアレン・アダム(Allen Adam)という科学者。

captain_atom

彼がヒーローになったきっかけというのは、誤って閉じ込められてしまった実験用ロケットが大気圏で爆発したこと。

そのために一度は原子レベルまでバラバラになったのですが、再構成されてスーパーパワーを得たそうです・・・って自分で書いてて意味が良く分かりませんが、まぁそういう人だそうです。

彼のスーパーパワーとは、決して傷つくことがなく、呼吸すら必要じゃないので宇宙空間でも活動可能。空も飛べる上に意志の力で無尽蔵のエネルギーを操作できるという最強っぷりです。

当時、アメリカ人が原子力エネルギー(っていうか原子爆弾)に寄せる期待が擬人化したようなキャラクターと言えます。

見た目は随分と違いますが、Dr.マンハッタンとキャプテンアトムは成り立ちや能力についてはそのままですね。冷戦下で活躍したと言うのも一緒です。

ちなみにそのコスチュームは自分の体が発する放射能を周囲の人間から守る効果があるそうで、ここらへんの気遣いがDr.マンハッタンにあったら「ウォッチメン」ももう少し話が変わってきたことでしょう。

余談ですが、Dr.マンハッタンとキャプテンアトムの大きな相違点としては、Dr.マンハッタンが四次元で物事を認識しているということが挙げられます。

話が長くなるので割愛しますが、明らかにこれはSF作家カート・ヴォネガットの「スローターハウス5」に出てくるトラルファマドール星人からインスパイアされたんだと思います。

トラルファマドール星人
<トラルファマドール星人>

「ウォッチメン」を読むなり観るなりして「Dr.マンハッタンは神様みたいな能力を持ってくるくせに、いまいち使えねえ」と思った方は、「スローターハウス5」を読むとそこらへんの理由というか、感覚が掴めるんではないでしょうか。

実際、原作者アラン・ムーアの他の作品には、まんまトラルファマドール星人というキャラクターが出てくるようですし、少なくともアラン・ムーアがヴォネガットを読んでることは間違いありません。

なお、このキャプテンアトムも後にDCシリーズで登場してますが、逆インスパイアということで見た目が全然変わってます。

captain_atom_new

こんな感じ。どうみてもDr.マンハッタンです。ありがとうございました。

シルクスペクトラ=ナイトシェイド(Night Shade)

silkspectra

ナイトシェイドはキャプテンアトム(Dr.マンハッタンの元ネタ)のパートナーで、本名はイヴ・エデン(Eve Eden)。

私生活でもしばらくの間キャプテンアトムの恋人でした・・・ってこれはほぼDR.マンハッタンとシルクスペクトラの関係そのままですね。本当はブロンドですが、変身時には黒髪のカツラを着用。敬虔なキリスト教徒。母親は異次元から来たそうです。

nightshade

ただし、アラン・ムーアがあるインタビューで言ってるのですが、このシルクスペクトラ=ナイトシェイドというのはほとんど思い入れがなく、女性キャラを一人くらい入れとかないとね、という程度で作ったものだったそうです。

なので説明はこれくらいで終了(おい)

オジマンディアス=サンダーボルト(The Thunderbolt)

Ozimandias

映画版では随分と優男になってましたが、原作ではいわゆるアメコミのイイ男っぽい見た目のオジマンディアス。

彼の元ネタはサンダーボルトと言います。

the_thunderbolt

サンダーボルトことピーター・キャノン(Peter Cannon)の両親は、アメリカの医師団としてチベットにやってきたものの黒死病に倒れ、残された彼は寺院で孤児として育てられました。完璧に鍛え上げられた肉体と強靭な精神を持つだけでなく、厳しい修行の末、脳のパフォーマンスを100%発揮することすらできるそうです。さらには古代から伝わる智恵も強力な武器だそうで。

私が悪人だったら全然勝てそうな気がしません。

完璧に鍛えられ、かつ調和した、肉体と精神と知能の持ち主。脳の潜在能力を100%まで発揮している男。そんなところがオジマンディアスそのものでしょう。

余談ですが、この赤と黒のコスチュームは寺院での修行用の衣装だそうです。ここらへんチベットの人たちは怒っても良いと思います。

更に余談ですが、ウォッチメンの中でオジマンディアスは、MATRIXのキアヌリーブスも仰天するようなやりかたで拳銃の弾に立ち向かいます。

それについては映画を観た人の中でも「あれは一体どういう仕組みなんだ?」と話題になってるようですが、アラン・ムーアのインタビューの中にその答えがありました。以下ネタバレとも取れるので白字にしてます。

ちなみにここらへんのネタ元はこちら。

インタビューの中で、銃弾を素手でキャッチするシーンについての話題が出たとき、アランムーアは「あれは可能だと思う」と言いきってます。

というのも、そもそも原作第5章、有名な見開きシンメトリーのシーンで、オジマンディアスは重そうな灰皿を持ち上げ、拳銃の弾をその弾道を予測した上で防いだ後に、暴漢をぶん殴っているんですが、アラン・ムーア曰く、そこまでの動きをオジマンディアスは2秒でやってのけてるそうで。

そんなことが出来る人間だから、銃弾を素手を受け止めることだって可能だと。

ウォッチメンのイラストを担当したデイブ・ギボンズは、その後に「まあ彼は金属製の鎧を着てるから、失敗しても大丈夫だったんじゃない?」とか言ってますが、あくまでアラン・ムーア御大は重ねて

「いや彼みたいに完璧な肉体を持ち、精神と肉体が調和していれば(銃弾を素手で受け止めるのも)可能なんだと思う」

と主張してます。

どうやら本気の模様。

流石"The idea is bullet-proof"(「弾丸で理念は殺せない)とVフォーヴェンデッタで主人公に言わせた人なだけはあります。

人間の可能性を信じるアラン・ムーアの熱い気持ちが伝わってきますね。・・・誰だ中二病なんて言う人は。

ここでひらめいたのですが、もしかしたらオジマンディアスのモデルはサンダーボルトじゃなくて、範馬勇次郎だったんではないでしょうか。

おお。そう考えると何もかも納得いきます。

いかないか。

でもきっとアラン・ムーアと板垣恵介は話が合うと思う。この部分に関してだけは。




ということで、だだだっと語ってきましたが、お楽しみ頂けたでしょうか。乱文失礼。

まぁ結局、こういうモデルの存在について知ってようがいまいが、「ウォッチメン」を楽しむにはさほど影響は無いでしょう。

ただ、少なくとも「ああ、ウォッチメン?Dr.マンハッタンはスーパーマンのパロディで、ナイトオウルはバットマンのパロディだよね?」とかあっさり言ってのける友達がいたら、親切に教えてあげると良いかもしれません。

とはいえ、相手が彼女や奥さんだったら、こんな話をしても全然盛り上がらないと思うのでお薦めしません。念のため。

長文に付き合って頂き、ありがとうございました。

ではまた。
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【2009/03/31 17:33】 | 布教活動 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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