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チョコレート幻想。もしくはヴォネガット追悼
時折、シカゴのダウンタウンはチョコレートの香りに包まれる。

ここに来たばかりの頃は、てっきりどこかで誰かがチョコレートフォンデュでもやっているのかと思ったものだ。

チョコレートフォンデュとは、ぐつぐつと煮えたぎるチョコレートと生クリームの混合物に、串刺しにしたパンや果物といった食材を浸して食べる料理である。

チーズだったらチーズフォンデュ、オイルだったらオイルフォンデュと呼ばれる。

ちなみにフォンデュ料理で使う串はこういう形をしている。

kushi


本場スイスでは、串に刺したはずの食材が鍋に落ちてしまったら、その人間は罰ゲームをさせられるという。

罰ゲームの内容は分からない。

スイス人は総じて穏やかだというので、落とした食材を鍋から拾うと言ったものではないだろう。

ちなみに、日本でも、昔から大きな釜に油を注いでぐつぐつ煮ることがあった。

たまには罪人なども茹でたりしていた。

釜茹での刑とはこういうものである。

kamayude


石川五右衛門が我が子とともに煮られたのもこういう釜だと言う。

ここからオイルフォンデュまでは、手法と言う意味でも、材料の点から見ても、ほんの少ししか離れていないはずだが、残念ながら調理手法の栄冠はヨーロッパ人の手に渡ってしまった。

あの時に、もう少しだけ考えておけば。

世の中にはこういうことが多い。

時折ダウンタウンを覆う猛烈なチョコレートの香りの正体は、ブロマーチョコレートという老舗のチョコレート会社の仕業である。

ダウンタウンを少し外れたところに、ブロマーチョコレートの工場があり、そこで製造されるチョコレートの香りが街に流れ込み、時には室内までついて来るのだという。

チョコレートの香りがする街、というとロマンチックなイメージが浮かびそうだが、工場の近隣にすむ住人にとっては、毎日嗅がされる濃厚なチョコレート臭というものは、必ずしも食欲をそそるばかりではなかったようだ。

2年前には住人の訴えにより、環境保護庁がチョコレート工場周辺の空気汚染の調査を行った。

結果は基準値をはるかにオーバーしており、チョコレートによって汚染された空気は、子供や老人の心臓や肺に害を及ぼす可能性すらあったという。

チョコレート爆弾!

環境保護庁の指導により、チョコレート工場には強力な空気清浄フィルターがつけられたというが、日によっては、いまだに猛烈なチョコレートの香りがダウンタウンを覆う。

今夜もそうだった。

シカゴ川に架かる橋を渡っている最中、鼻腔に甘い匂いを感じたわたしは思わず欄干から下を覗いて見た。

川面は暗く、まるでチョコレートを流したような風景。

臭覚細胞を刺激し続けるココアパウダーとあいまって、わたしはまるで巨大なチョコレートフォンデュの鍋を覗き込んだような気持ちがした。

ちなみに、今週の初め、わたしが川面を覗き込んでいる場所から、男性がシカゴ川に飛び込んだ。

ヘリコプターや捜索船、なぜか消防車まで駆けつけての大騒ぎになったが、男性の遺体はまだ見つかっていない。

シカゴ警察の発表によれば、ミシガン湖に流されていった可能性が高いのだという。

ひょっとしたら、その男性も橋の上でチョコレートの香りに襲われたのかもしれない。

そして川面をみて、チョコレートフォンデュを思い出したのかもしれない。

そして、ひょっとすると、十分な長さの串を持っていなかったのかも。

今頃、男性があまり酷い罰ゲームをさせられてなければ良いのだが。

その他いろいろ。

ではまた。
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【2007/04/13 15:54】 | 日記@シカゴ | トラックバック(1) | コメント(6) | page top↑
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