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The Cold Moon (邦題:ウォッチメイカー)
今回は趣味の話。

ジェフリー・ディーヴァ-Jeffery Deaverの最新作"The Cold Moon"(邦題:ウォッチメーカー)読了。

thecoldmoon


正確に言えば読み終わったのは結構前なのですが、Cyberbabeさんのブログで既に素敵なレビューが書かれているため、それ以上の内容を書く自信が無くて、ズルズルと延ばしておりました。

とは言っても、まぁ大のディーヴァ-ファンを自認している以上、書かない訳にもいかないので、力不足は承知の上で書くことに致します。

"The Cold Moon"はリンカーンライムシリーズの7作目の新作です。

元NY市警中央科学捜査部長で犯罪学者のリンカーン・ライムLyncoln Rhymeは調査中の事故により四肢麻痺となり、唯一動くのが左手の薬指のみという状態。一時は自殺を考えるほど自暴自棄になったものの、アメリア・サックスAmelia Sacksという文字通り捜査の手足となり、心の支えとなる存在を得て、再び犯罪に立ち向かっていく・・・というのが基本設定の人気ミステリシリーズです。

全編に散りばめられた科学捜査の専門知識と、一筋縄ではいかないどんでん返しの連続がディーバー作品の人気の秘密と言われています。

さて今回の話は。

12月の夜、埠頭で血痕とともに、古い時計と"Watchmaker"を名乗る男の詩が残されているのが発見されます。被害者は時計で死に至る時間を見させられながら、じりじりと殺されるという、非常に残忍な手口で殺されました。そしてまもなく、第二の被害者が。

Watchmakerとは一体何か?そして動機は?

この事件と並行して、初めて殺人事件の主任として担当することになったAmela Sacksは、自殺として処理されていた会計士の死に不審を抱き、調査を進めます。捜査を進めるうち、彼女は警察内部の腐敗と、彼女のキャリアにすら関わる衝撃の事実を発見することになります。それはRhymeとAmeliaの二人の関係にも多大なる影響を与えます。

というのがメインプロットです。今作品ではもうひとつ大きな出来事として、尋問のプロ、Kathryn Danceが登場します。

彼女は動作学と尋問のスペシャリストという、一見、物的証拠以外は認めないRhymeとは対極にあるとも言える分野の専門家です。

ディーヴァーのインタビューによれば、今後ライムシリーズと並行して書かれることになる新シリーズの主人公となる女性。今回はその顔見世興行と言ったところでしょう。

Kathlyn Danceの造形も良く出来ています。流石別シリーズで主役を張ろうというだけの事はあります。

彼女はカルフォルニアに住み、二人の子供を育てるシングルマザー。元ジャーナリストだった彼女は、陪審員コンサルタント(よく法廷物で出てくる、弁護/検察側に都合の良い陪審員を見分けるの仕事ですね)を経て、刑事になったという変り種です。尋問のモードによって眼鏡を変える(攻めていく時は「ターミネーター仕様」という眼鏡をかける)というあたり、良い意味で漫画チック、けれん味が溢れていて素敵です。

ちなみに、これまでのミステリでも、ボディーランゲージで嘘を見抜くという描写がありました。NLP(神経言語プログラム)の視線解析テクニックを紹介したやつなんかもありましたかね。

Danceのテクニックとして今回紹介されているのは、尋問の対象者それぞれにまず一般的な質問をして、ストレス反応のベースラインを設定してから、尋問に入るという、ある程度説得力のある手法です。まぁそれにしても相手の嘘を見抜き過ぎで、ほとんど人間嘘発見機みたいな印象すら受けます。こんな人が近くにいたら堪りませんな。

Kathlyn Danceに加え、今回は別件の捜査でも忙しいAmeliaの穴を埋めるようにRon Pulasukiが活躍します。そう、前作The Twelfth Cardで出て来た新人警官です。前作では経験不足からか、後半えらい目に遭ってましたが、今回はなかなかのガッツと素質を見せてくれました。次作以降でもRhymeにネチネチと嫌みを言われながら頑張ってくれることでしょう。

さて、シリーズも七作目となると、普通はマンネリ化していくものです。

どんでん返しが魅力のDeaverとは言え、いい加減、愛読者としてはそうそう騙されてばかりではいられません。やはりパターンというかストーリー展開でも「これはああなるんだろうな」という鼻が利いてくるようになるもので、私も今作では「ああ・・・この話はあそこで繋がるんだろうな、きっと」という予測を立てながら読んでいました。

実際その想像通りになった時にはちょっと勝った気にもなったりして。

ところが。

さくっと、さらにその一枚も二枚も上を行かれてしまいました。「えぇぇぇ!?」と叫びましたよ、私は。上手いなぁDevaer。

作中でWatchmakerは、精密な時計仕掛けのように犯行を企てていこうとしますが、まさにその表現はこの作品全体にも当てはめることができます。

作中の出来事をパーツパーツとして見れば、小さな歯車だったり、バネだったりと、一見さして重要には思えないのですが、読み進めるうちにそれがまさに、精巧に作り上げられた一つの時計仕掛けとなっており、そこであらためて全ての「パーツ」が不可欠だったということが読者に判明します。

すげぇ。

どうやったらこれだけのトリックを組み合わせながら一つの作品に仕上げることができるのか、本当に感心してしまいました。まさに職人芸といった感じです。

肝心の結末については、Cyberbabeさんは異議がおありだったようですが・・・うーん、私としては、これはこれでありかと。その代わりと言っては何ですが、シリーズ読者にとっては、第一作から少し気になっていた「あれ」についての落ちをつけてますし。あれがきっと今回の結末に対してのDeaverからの「お詫びのしるし」だったと思うんですが、どうでしょうか?(笑)

とりあえず次回はKathlyn Danceのシリーズ第一作が書かれるようですので、再び「えぇぇ!?」と叫ばされる日を心待ちにしたいと思います。今から楽しみです。

そして私は次回のサイン会には参加できるのか。ってそれは関係無いか。

毎度、興味の無い方には申し訳ないエントリーでしたが、ジェフリー・ディーヴァー作品は日本でも翻訳を読むことが出来ます。リンカーン・ライムシリーズも第五作"The Vanished Man"(邦題:「魔術師 イリュージョニスト」(文芸春秋))までは刊行されているようですので、もし機会があれば是非お試し下さい。シリーズを読むなら当然、第一作「ボーン・コレクター」(文春文庫)からで宜しく。単発物も「青の虚空」「悪魔の涙」「静寂の叫び」等々どれも傑作ぞろいです。日本は相変わらず糞暑いと思いますので、たまにはクーラーの効いた部屋で良く出来たミステリを読んでみたりしては如何でしょうか。

ではまた。
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【2006/08/18 20:38】 | 読書関連 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
シアトル到着
シアトルに戻って来ました。

例のテロの影響により、非常に厳しいと言われていた手荷物規制も、予想していた程も厳しく無く、液体以外の、例えば電子機器等は持ち込みが可能とのことで、やや拍子抜け。そのために、空港でパンパンのトランクを広げ、わざわざ厳重にしまいこんだノートPCを手荷物に詰め替えなきゃいけませんでしたが、すくなくとも紛失や破壊のリスクを負わずに済みました。やれやれ。
成田から、とても一児の父親とは見えず、どちらかというと還俗したばかりの小坊主のような友人一名に見送って頂きました。感謝感謝。

フライト偏西風に乗って8時間40分。映画を二本観てグゥグゥ寝たらシアトル到着。もう慣れたものです。
シアトルについての第一印象は、涼しい!の一言。日射しが強いので日なたにいると少し暑く感じますが、あの移動式サウナのような日本の気候と比べると別世界のようです。世界は一つってのは嘘ですな。これは。

当初はバスを乗り継いで、妻の会社の近くまで行く予定でしたが、優しい上司が、一時間少しの外出をOKしてくれたので、妻が車で迎えに来てくれました。

3週間振りに会う妻は、日々の美容計画が上手く行ってるのか、一昨日のプレゼンの疲労か、やや顔がほっそりしていました。君子三日会わずんばズンバズビズバ、私自身は少し肥えた気もします。自分のポテンシャルが空恐ろしい。

妻はすっかり会社の人間関係にも慣れ、先日のプレゼンも幾つか笑いがとれたとの事。おまけにインターン同士の泥沼のような争いにも巻き込まれており、なんだか充実した毎日を送っていたようです。個人的には、ドロドロした争いに巻き込まれるて、初めて会社勤めの醍醐味が味わえると思うのですが、皆様どうでしょうか。

いきつけの中華レストランに寄り、久方ぶりに味わうシアトルのラーメンを胃の中に収めながら、嗚呼またシアトルに来たなぁと感慨を深めております。日本に帰る前より涼しさを増したようですが、相変わらず新緑が美しく、素敵な街です。

というわけで、またアメリカ生活が始まりました。取り急ぎご報告まで。

ではまた。
【2006/08/18 08:21】 | 日記@シアトル | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
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