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アメリカの高校に日本マンガの主人公が入学!?・・・「MANGAMAN」の感想
今日は育児ネタではなく、昨年末に読んだ本のご紹介。

タイトルは「MANGAMAN」そのまま、マンガマンと読みます。

カバー



作者はヤングアダルト小説を書いているBarry Lyga、作画は数多くのグラフィックノベルでイラストを担当しているColleen Doranです。

まずはあらすじのご紹介。




アメリカのどこにでもありそうな町、Castleton。

そこに住むMelissaは典型的なアメリカの女子高生。クイーンにも選ばれた、誰もが羨む町一番の美人だが、突然スポーツマンの彼氏と別れたり、変なコスチューム集めに没頭したり、最近の奇行は親友にも呆れられている。

友人ともに参加したパーティーでは、すっかり酔っ払った元彼がよりを戻そうと寄ってくるが、彼女にそんな気はない。

なんとか元彼を振り放したMelissaに、親友が駆け寄ってきた。

「彼よ!本当に彼が来たの!」

彼とは誰か?

実は、最近この町はあるニュースでもちきりだった

それは、政府の実験によって偶然異次元からやってきたという少年がこの町にやってきており、近々彼らの通う学校に入学してくるかもしれないということ。

しかもその少年がいたというのは、日本マンガのような二次元の世界だと言う。

その彼が、突然パーティーに姿を現したのだ。

Ryoko Kiriyaというのがその少年の名前。Ryokoという名前だが立派な男の子だ。

そのあまりに現実離れした容姿に衝撃を受ける人々。

このときから、平凡だったMelissaの人生は大きく変化していくことになる。

果たしてRyokoは元の世界に戻ることができるのか?

RyokoとMelissaの恋の行方は?

そして異次元から襲来する触手モンスターの正体とは?




・・・という話なのですが、アメリカの高校に、日本のマンガキャラクターが入学してきたらどうなるか?というのをメインのアイデアにおきながら、学園ドタバタラブコメSF的なフォーマットを踏襲しつつストーリーが進みます。

意欲作というか、異色作というか、何とも不思議な味わいの作品になってます。

なんと言ってもMangamanこと主人公、Ryoko Kiriyaの造形が凄い。

彼が第一章のラストで初登場するシーンのインパクトが半端ないです。

こんな感じ。

Mangaman登場

なんじゃああこりゃあああ!

少女マンガの歴史には詳しくありませんが、70年代から80年代くらいの少女マンガを思い起こさせる造形です。てか、いまどき気の利いた中学生だってもう少しまともなイラストを描くような気が。

ただ、出落ちとしてはある意味最高のインパクト。

ちなみに1コマ目でアップになってる、インチキ着物を着てるのがMelissaです。この世界の美人の基準がこれだと思って下さい。どれだけRyokoの見た目が異様なものか想像できるかと思います。

このビジュアルだけでなく、このRyoko君、日本マンガの世界からやってきたということで、いろいろ特徴があります。

その代表的なものが、デフォルメ、漫符、効果線などがそのまま出現してしまうというもの。

言葉で説明すると面倒なので、画像を見てもらいましょう。

RyokoがMelissaに出会い、一目ぼれするシーンです。

一目ぼれ

はい、1コマ面の左でなんか大変なことになってるのは、上の画像のRyokoと同一人物です。

そしてこれはこのコミックの世界の中では「本当にそういう風に見えてる」ということになってます。

周囲の人が軽くパニックになってるのはそういうことですなんですね。

また、3コマ目では効果線が物質化して、床に散らばってるのが確認できます。

効果線を掃除させられるおじさん。

なんで俺がこんなこと・・・。

他にも戦闘シーンではドラゴンボール風(?)になったり、

ドラゴンボール風

ラブシーンではページが花で埋まったりと、彼が登場するところ周囲の人の現実感覚は揺さぶられっぱなし。これらのトンデモシーンを見るだけでも一見の価値はあると思います。

・・・ただし、全体を通したストーリの感想はと言うと、正直なところちょっと残念な出来。

というのも、肝心の日本のマンガから出てきた、という最大の特徴がストーリーとしてあまり効果的に使われてないためです。

つまり上で述べたような、Ryokoが日本マンガの世界の住人だから起こしてしまうドタバタ、というのがそれほどストーリー展開に寄与していません。

繰り返し行われる「物質化する効果線」というギャグも、本当にただのギャグとして消費されるだけです(しかもそれほど面白くない)。

想像を越える展開、というのがあまりなく、最終的には打ち切り漫画の最終回みたいな駆け足&予定調和のラストを向かえ「なんか幸せそうだから良いけど、いろいろ腑に落ちないぞ」という感想を読者に残して話は終了します。

いや、実は中盤に一瞬、凄く盛り上がるシーンがあります。

RyokoがMelissaに対して世界の秘密について教えるというもの。

作中、Ryokoはとある方法でMelissaが住んでいる現実世界もまた一つの漫画(グラフィックノベル)であると知らせます。

自分もフィクションの登場人物の一人であると知り、驚愕するMelissa。

もし、そこから彼らがフィクションの中の登場人物としての自覚を持って、メタフィクションについての話になったりしたら…どうですか?なんかワクワクしませんか?

しかし、残念ながらMelissaちゃんにはちょっと荷が重かったのか、はたまたページ数の都合だかしりませんが、「えええ!そうなの!びっくり!」くらいなもので、ほぼスルーして自分達の色恋に関心が戻ってしまいます。

うーむ。なんかもったいない。

作者の狙いというのを勝手に想像するに、多分日本のマンガうんぬんというのは本質ではなく、Ryoko Kiriyaという、どうしたって現実世界に馴染めことが出来ないキャラクターを使って、現実の周囲に馴染めていない十代の葛藤を描こうとしているのだろうな、というのは理解できます。

実はヒロインであるMelissaがまさに同じ葛藤を感じており、だからこそお互い惹かれるわけですし。

ただその場合、上で述べたような、中盤に出てくるメタフィクショナルな展開というのがどこまで必要だったかというのが疑問ですし、彼らが抱える悩みを解消するようなカタルシスというのも不十分だと思います。

作者が提示した風呂敷の広さを考えるに、この設定のきちんと活かすにはあと100Pくらいはボリュームが必要だったのではないかな、と思います。まぁこんなこと言っても仕方がありませんが。

あと作画を担当したColleen Doran、グラフィックノベルの世界では大変名の知れた人のようなのですが、この方の描く「ジャパニーズコミック」の部分が大変微妙な出来です。いろいろ研究して努力している部分も見て取れますし、わざとバランスを崩して描いてるなとか、日本風にデフォルメしようとしてるのは分かるのですが、それにしても強烈。

なによりRyokoが住んでいたという日本マンガの世界自体が、「全然面白そうに見えない」というのが致命的かと。

Ryokoの居た日本マンガの世界

文化祭

なんだこれ。

・・・おっと、今知りましたが、彼女はアメリカ人向けマンガの描き方の教科書も書いてるそうで・・・うーむむむ。そうなんだ。色々と残念です。

いっそ日本の漫画家にその部分だけ書いてもらったほうが対比として分かりやすかったんじゃないか。

ただし、そうすると今度は私が読んだときに感じたようなトンデモ感というものが薄まってしまうので、そこらへんが難しいところでしょうか。

なんか文句ばっかり書いてますが、全然面白くなかったかというとそうではなく、Ryokoの元カノの設定やMelissaとのラブシーンにおける「日本風修正」の入ったイラストなんかは思わず爆笑してしまいました。これは是非原作を手にとって見て欲しいところです。

作者のBarry Lygaはコミックの原作を手がけたのは今回が初めてだったそうですが、かなり年季の入ったの日米マンガのファンらしく、このMangamanも長年暖めていたアイデアとのこと。

果たして作者がまたグラフィックノベルの原作を手がけるのかどうかは分かりませんが、もし次回作があるようであれば見てみたい気もします。

・・・とここまで書いたところで、驚きのニュースを読みました。なんとこの作品、Young Adult Library Services Associationという団体が選んだ、2011年度のティーン代向けのベストグラフィックノベルの一作として受賞したそうです。

ちなみに同リストにはあだち充の「クロスゲーム」や鬼頭 莫宏の「ぼくらの」なんて名だたる名作に肩を並べています。

おお!これはもう、Mangamanも翻訳して日本で出版するべきではないでしょうか!?

・・・ないな。

ではまた。
【2012/02/10 19:37】 | 読書関連 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
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コメント
日本在住の姪ですよ~w
mangamamのイラストは衝撃ですΣ(・□・;)
具体例出しちゃうとベルバラみたいなw
たいして気の利かない中学生でももうすこし漫画らしい漫画を書くよ。

でもちょっと興味が湧いたので機会があったら見せて下さい☆
【2012/02/17 20:17】 URL | シュロの花 #-[ 編集] | page top↑
Re: タイトルなし
>シュロの花さん

コメント有難うございます。実在の中学生からの貴重なご意見ですな。
てかその年でベルバラを引いてくるあたり、末恐ろしいと言うか頼もしいと言うか。
アメリカに来たときに見てみてくださいまし。
【2012/02/21 20:17】 URL | twitetta #-[ 編集] | page top↑
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